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 犬は昔から人間の親友だ。例えそれが犬型ロボットであっても愛情を注ぐし、自由に動き回れるモデルなら、お散歩にだって連れていく

 オーストラリアに住む男性はスポットにも似た、多機能タイプの犬型ロボットを購入し、しつけのために、お散歩に連れて行っている。

 先日、ロボット犬を散歩させていた時のこと、酔っぱらった女性にスタンピーをいきなり蹴られてしまったという。

 不幸にも、犬は大怪我(損傷)を負った。治療費(修理金額)も高額だ。男性は、女性の身元を探し出すため、賞金を付けSNSで情報提供を呼びかけた。ついに女性を探し出すことに成功した。

【画像】 ロボット犬“スタンピー”、酔っ払い女に蹴られる

 1月8日の深夜、オーストラリアのブリスベンに住むマーク・トレノさんは、中国で流行っているロボット犬を購入し、スタンピーと名付け、GPSと3Dマッピングのトレーニングのために散歩させていた。

 ナイトクラブ地区に通りかかった時、反対方向から歩いてきた若い女性が突然スタンピーを思いっきり蹴った。

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 スタンピーは、ロボットなので当然「キャン!」とは言わないが、女性の後ろを歩いていた連れとみられる男性が、女性の行為に驚き、しゃがんでスタンピーを撫でる仕草をした。

 おそらく、酔っぱらった果ての行為だろう。だが、連れの男性が謝罪し、申し訳なさそうにしていたことから、トレノさんはこの男性に免じて女性の行為を水に流そうと思った。

 だが、後で見てみるとスタンピーの怪我(損傷)は深刻だった。

女性の身元追跡のため動画をSNSでシェア

 スタンピーは、女性に蹴られた衝撃が原因で、前につけた認識立体カメラと超音波距離測定センサー、LEDアレイが機能しなくなった。

 修理費用は2500オーストラリアドル(約23万円)もかかるという。

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 こんなにも傷ついたスタンピーを見て、男性は再び怒りが込み上げてきた。そこで、SNSで動画をシェアし、賞金をつけ、女性の身元を追跡することにした。

犬の背中に取り付けられていたカメラによって撮影された映像では、女性は怖がってスタンピーを蹴ったというのではなく、面白がって蹴ったというのが明らかでした。

 それが見たこともない犬型ロボットであっても、平気で他人の持ち物を傷つけるという行為は理解できません。

一緒にいた友人でさえショックを受けていたようで、謝罪してくれました。

 トレノさんは、女性について情報提供してくれた人には500オーストラリアドル(約45000円)の賞金を報酬として提供することをSNSでシェアした。

 動画は大きな反響を呼び、一部の人々は「スタンピー に正義を」というハッシュタグを付けてコメント。スタンピーを蹴った女性には、非難の声が集中した。

女性は素直に謝罪、償いを申し出た

 すると翌日、女性の友人である男性2人から連絡があったという。

 トレノさんに連絡をしてきたその男性は、その晩女性と一緒にいて、スタンピーを撫でた男性ともう1人の男性だったそうだ。

 その為、提供されるはずの賞金は、虐待された動物たちが保護されている施設に寄付することとなった。

犯人女性も、その後私に連絡をしてきました。嫌な人ではなかったようですが、酔っぱらっていてあのような行為をしてしまったということです。

誰でも若い頃は、愚かな行為をしたことがあるものです。とにかく、女性は私に電話で謝罪しました。自分がしたことに対して償いたいとも言いました。

ただ、女性はまだ若く、弁償するお金がない可能性があるため、修理費用をまだ請求していません。彼女は申し出てくれたのですが、今はまだどうするか決めていません。(トレノさん)

 トレノさんは、女性の身元を特定でき、前向きな話ができたことに満足したようだ。

 またこの会話で、女性がスタンピーを蹴った時、つま先を骨折しそうになったほどの衝撃を感じていたこともわかったという。

みんな、スタンピーの外見に騙されるかもしれませんが、このロボット犬は実際には20 kgの重さがあり、スチール、アルミニウムカーボン ファイバーの組み合わせで作られています。

つまり、かなり頑丈です。映像でもわかりますが、女性はかなり強く蹴っています。スタンピーはその衝撃で損傷しましたが、女性自身も受けた衝撃が大きかったようです。(トレノさん)

消費者市場向けに開発されたユニツリーのロボット犬

 欧米ではまだ見かけることが少ないようだが、中国の新興企業『ユニツリー ロボティクス(Unitree Robotics)』が、消費者市場向けに開発しているこのロボット犬シリーズは、中国では流行中で、路上で散歩させている飼い主も多い。

 トレノさんが所有しているロボット犬のモデルは 「Go1」 で、小売価格は約 3,900 オーストラリアドル(約35万円)。加えて、トレノさんはオーストラリアへの出荷費用 1,400オーストラリアドル(約1万3000円)を支払って購入したそうだ。

 ユニツリー社のロボット犬は、米国企業のボストン ダイナミクス社が作成した「スポット(Spot)」より小さいが、見た目も動きも似ている。

 ちなみに、スポットは軍や警察病院、企業で使用されており、価格の面からしても一般には手が届きにくいが、ユニツリー社は価格を引き下げ、ペット用ロボットをドローンと同様一般に受け入れられることを望んでいるということだ。

References:Robot dog owner offers $500 reward after his beloved pet filmed the exact moment a woman allegedly kicked it in the head with her horrified friend rushing to the machine's aid/ written by Scarlet / edited by parumo

 
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