俳優の斎藤工1月13日、都内で開催された映画「イチケイのカラス」の初日舞台あいさつに、竹野内豊黒木華、山崎育三郎、田中亮監督、同作品の主題歌を担当しているSuperflyと共に出席。なお、水谷果穂新型コロナウイルス陽性で欠席した。

【写真】シースルー赤ワンピース姿で登場した黒木華

東京地方裁判所第3支部第1刑事部、通称「イチケイ」を舞台とする同作品。型破りな裁判官・入間みちお役の竹野内豊、超ロジカルなエリート裁判官・坂間千鶴役の黒木華を筆頭に、ドラマ・イチケイメンバーや、豪華な新キャストが集結している。

■黒木の演技を「すばらしい」と絶賛

坂間とバディを組む月元を演じた斎藤は「坂間さんに対しては、少し妹という存在と重なる部分もあり、彼の中でさまざまな葛藤があったと思うんですけど、そこはむしろ黒木さんに表現してもらった部分がたくさんあったので、自分だけで作り上げたキャラクターというよりは、監督をはじめ多くの方に月本を形成してもらったなと、完成した作品を見て思いました」としみじみ。

斎藤と共演した感想について黒木は「すごく楽しかったです。毎回変えてくださるというか、その場の空気を楽しんでお芝居をされている感じがして、みちおさんとは違った坂間の表情を引き出してくださりました。船のシーンはすごく楽しかったです」と笑顔を見せた。

これを聞いた斎藤は「船のシーンはまさに監督の『放置』っていう感じでしたね。あの状況でしかもワンカットで、坂間がいいそうなセリフを、坂間としてアドリブでずっといい続けていらしゃって。本当にカットがかかるまで坂間千鶴なんです。すばらしいなって感動しました」と黒木の演技を絶賛した。

■汁という汁が全身から出そうに…

また、同イベントでは、Superflyが主題歌「Farewell」の生歌を披露。坂間が月本に対して抱いている気持ちを歌った曲ということについて、斎藤は「僕は映像を作ることもあるんですけど、映画の要素の半分は音楽が仕上げてくれるという意味が、この作品を見てわかりました」と感慨深げな表情で話した。

歌唱後、感想を求められた斎藤は「言葉が悪いですが、汁という汁が全身から出そうになってしまって、今もですが感極まっています。品がなくて本当にすみません」と笑わせ、続けて「上映後なので言葉を選ばないと大きい組織に消されてしまうんですけど、そこにない物が描かれるっていうシーンを、今歌ってくださった楽曲と、黒木さんの演技で表現していただいて、感慨深く、ありがたく思っています」と述べていた。

◆取材・文=大野代樹

映画「イチケイのカラス」の初日舞台あいさつに登壇した斎藤工/撮影:大野代樹