Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔が、1月14日に都内で行われた主演映画「そして僕は途方に暮れる」の舞台あいさつに共演者の前田敦子、中尾明慶、香里奈、毎熊克哉、野村周平、監督を務めた三浦大輔と共に登壇した。
■「『こんな藤ヶ谷太輔は見たことがなかった』と言っていただけたのがうれしかった」
本作は、2018年に東京・Bunkamuraシアターコクーンにて藤ヶ谷主演で上演された舞台を三浦監督が自ら映画化。全てを捨てて逃げ出したい衝動を赤裸々に描く、共感と反感が行き来する“現実逃避型”エンターテインメント作品に仕上がった。エンディング曲に、1984年に大ヒットを記録した大澤誉志幸の「そして僕は途方に暮れる」を起用。大澤自身が本作のために新アレンジで歌唱している。
藤ヶ谷が演じる菅原裕一は、自堕落なフリーターでバツが悪くなるとすぐに逃げ出してしまう性格。ほんの些細なことから、あらゆる人間関係を断ち切ろうと、人生を賭けた逃避劇が始まった。舞台から5年、撮影から2年が経っての公開に、「本当に早く皆様に届けたかったので嬉しいです。でも、舞台から考えても結構時間が経ってますので、嬉しさと寂しさが入り混じってますね」と今の心境を吐露した。
「知り合いとか、他の仕事でお世話になって方も観てくださっていて、『こんな藤ヶ谷太輔は見たことがなかった』と言っていただけたのがすごくうれしかったです」と周囲の評判も上々だと報告し、「三浦さんに引き出してもらったと思っています」と監督に感謝した。
■前田敦子「舞台の本番中にセリフが飛んで必死に台本を読む夢を見ました」
裕一が5年間同棲している彼女・鈴木里美は舞台版から引き続き、前田敦子が演じている。「今日すごい夢を見ました。うなされて起きたんですけど、舞台の本番中にセリフが飛んじゃって、最後の大事なシーンの手前で必死に台本を読んでるという夢だったんです。舞台をやってた時が懐かしいなって思いました(笑)」と笑顔で明かした。
香里奈は裕一の姉・香役で出演。「いろんな俳優さんの姉役をやらせていただいてますが、9割方怒っている役は初めてでした。観てる人にそういう人だと思われるじゃないかって思いましたし、自分でも演じてて怖くなりました」とこれまでとは違った一面を見せる役柄について語った。
裕一の同郷の幼なじみ・今井伸二役の中尾明慶は、「最初に観て思ったのは、“笑える”でした。自分よりダメな人を見るのは楽しいなって」と完成した作品を観た感想を語ったが、裕一のバイト先の先輩・田村修役の毎熊は「ツラかったです」と撮影時を振り返り、他のキャストも撮影が大変だったと同意した。
■毎熊克哉「藤ヶ谷さんの追い込み方がすごくて心配になりました」
具体的に撮影現場はどんな様子だったかを聞かれた毎熊は「2日ぐらいしか撮影現場に行ってないんですけど、(藤ヶ谷との)二人芝居が朝から次の日の夜中まで続きました。まだ撮影の序盤だったんですが、藤ヶ谷さんの追い込み方がすごくてちょっと心配になりました。『この人、この先、生きていけるのかな？』って」と答えた。
それを聞いた前田も「私も自分の撮影のことをあまり覚えてなくて、それだけ大変だったんだと思います」と話しつつ、「私は最初の相手役として撮影をさせてもらって、しばらくしてから北海道で藤ヶ谷さんにお会いしたんですけど、子鹿のようにゲッソリされていたので驚きました」と藤ヶ谷の追い込み方にビックリしたと明かした。
共演者の話を聞いて、藤ヶ谷は「三浦組に一生懸命取り組んでいくとやせますね(笑)。自分の映像を見て、“こんな感じだったんだ”って思いました。撮影の時は自分がどうなっていたのか分かってなかったです。…かわいそうです(笑)」と回顧。
■藤ヶ谷太輔「(続編は)ホノルルだったらやりますけど、国内だったら僕はやらないです(笑)」
続編の予定を聞かれた三浦監督は、「ヒットしたらそういう話も出るかもしれませんが、藤ヶ谷くんは“ホノルルだったらやる”って言ってます」と答え、藤ヶ谷も「ホノルルだったらやりますけど、国内だったら僕はやらないです(笑)」と続編は海外ロケを希望した。
MCから「続編をやりたい人は？」と聞かれたが、手を挙げたのは野村だけ。「監督を代えて続編をやりたいです。是枝(裕和)さんで」と発言すると、「それだったら」と藤ヶ谷をはじめ、他のキャスト挙手。三浦監督は「じゃあ、是枝さんで。脚本は書かせてください。現場には一切行きませんので」と返して、キャストたちとの仲の良さを感じさせつつ、会場を和ませた。
最後は藤ヶ谷が「この映画に関わってくださった皆さんに感謝の気持ちでいっぱいですし、新しい一面、新しい表情を引き出してくれた三浦監督にも感謝の気持ちを伝えたいと思います。ありがとうございました！」とお礼の言葉を届け、「観てくださった方の『観て良かった映画ベスト10』に入ったらいいな、入り続けたらいいなと思っています。多くの人の記憶に残る映画になっておりますので、ぜひこの映画を長く愛してあげてください」と呼びかけて締めくくった。
映画「そして僕は途方に暮れる」は全国公開中。
◆取材・文＝田中隆信
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