“デジタルネイティブ世代アイドル”わーすたによる4か月連続でのメンバーソロ写真集企画。第1弾の廣川奈々聖、第2弾の松田美里に続いて、第3弾・小玉梨々華と第4弾・三品瑠香の写真集もついに発売された。


小玉にとって初めてのソロ写真集となる『素顔』、三品にとって自身二作目のソロ写真集となる『ひととき』。それぞれの撮影エピソードや発売にあたっての心境を彼女らに聞くと共に、2022年の活動の振り返りや2023年の抱負も語ってもらった。


──まずは4か月連続でのソロ写真集企画について、お二人はどう感じたかをお聞かせください。

三品

ありがたいことだなとすごく思いました。みんなが、それぞれの写真集でどんなことがしたいんだろう、どんなものを作りたいんだろうと、受け取り側としても楽しみでした。私は今回が2nd写真集になるということもあって、このタイミングでまた作れるということがうれしかったです。

小玉

私もすごくうれしかったです。写真集出せるということだけでもすごいのに、それを一人ずつ4か月連続でなんて「そんなことができるんだ!今のわーすたってすごいな!」とウキウキしました。グループにとっても、2022年の大きなトピックスになりました。


──三品さんにとっては今作『ひととき』が2nd写真集となりますが、撮影にあたって希望は色々と伝えられたのでしょうか。

三品

1st写真集は3年以上前で、あの時から自分自身も変わっているので、その成長が見えるような感じで撮りたいなと思っていました。それから、前回は世界観を作り込んだ作品だったんですが、今回はより自然体なところも見えるような写真集になっています。


──普段の三品さんらしい写真集になっているんですね。

三品

そういう写真が多いと思います。服装も自分で着たいものを選ばせてもらいましたし、やりたいようにやらせてもらいました。撮影地の石川県も私がずっと行きたかったところなんです。街の雰囲気とかがいいなと思っていて、和なテイストの写真が撮れるというところも魅力でした。カメラマンさんともすごく相性が良かったです。あ、ところでお気に入りのカットって聞かれますか?


──聞きましょう(笑)。お気に入りのカットはなんですか?

三品

ドレスを着たカットがお気に入りなんです。このドレスがどうしても着たくて。私の好みにぴったりの、すごく素敵なドレスを準備していただいたので、大満足な写真が撮れました。もう少し色味があってボリュームの出るドレスもあったんですが、とにかくこのドレスが良すぎました。


──撮影の中で、他に思い出に残っている出来事はありますか。

三品

撮影チームの性格のバランスがめちゃくちゃ良かったです(笑)。空気感がすごく私に合っていて、とても楽しく、信頼しながら撮影できました。カメラマンさんはあまり口数の多くない方で、ヘアメイクの方は元気に話してくれて、スタイリストさんはその間くらいのテンションで。私には本当にちょうど良かったです。カメラマンさんは静かな方が好きなんです。


──イエスイエス!」みたいなノリのカメラマンじゃないほうがいいんですね。

三品

そうですね(笑)。


──ハプニングなどはありませんでしたか?

三品

車のシーンがあるんですが、本当は海岸を車で走れる予定だったんです。でも天候が悪くてできなかったというエピソードはあります。その代わり、一緒にただのんびりと過ごしているような、お昼下がりな感じの写真が撮れたので、これはこれでいいなと思いました。


──小玉さんは三品さんの写真集をご覧になっていかがでしたか?

小玉

めっちゃかわいくてきれいで格好良くて、見ていたらいろんな感情を抱くような写真集でした。自分の見せ方がすごく上手。全部の衣装を着こなしているし、景色とか、服とかメイクにあった表情をしていたので、「モデルだな」と思いました。いろんな瑠香を見れてうれしかったです。見せ方が全部上手いから、見ていて、すごくワクワクしました。


──「いろんな感情を抱く」というのは、たとえばどんな感情でしょう。

小玉

「うわ、赤ちゃんみたい!」とか、「これはすごいお姉さんに見える!」とか、「わ、きれいだな」とか、「これいつも見てる表情だ!」とか。コロコロと違う感情を抱ける素敵な写真集でした。


──知っている顔が多かったですか?見たことのない表情もあったでしょうか。

小玉

見たことのない顔も多かったです。「私にはこんな顔してくれない!」と思いました(笑)。それとは別に、ステージに立ってる時とかには見せないような、メンバーしかあまり見ない顔も入っていたので、私としてもうれしいし、ファンの方もうれしいだろうなと思いました。


──メンバーには見せないような顔があったんですね。

三品

今さら秘密なんてないと思っているんですけど、あるのかな(笑)。


──上手く写るコツはなにかあるんですか?

三品

カメラマンさんも細かく指示を出すような方じゃなかったので、自分が写りたいように写るという感じでした。でもそこまで考えていないと思います。


──小玉さんが言う「赤ちゃんみたいな顔」というのも、写りたいように写った結果という...。

三品

とは思っていなかったですが、「思ったより赤ちゃんみたいな顔してるな」というのはたしかにありました(笑)。全体的にナチュラルメイクでやっていたので、本当に赤ちゃんみたいなんですよね。


──ちなみにどのあたりのカットが赤ちゃんですか?

三品

一番赤ちゃんなのはコレです。(砂浜のカット)

小玉

え、違います。

三品

違う?これじゃないんだ(笑)。

小玉

私の赤ちゃんもいいですか。私の赤ちゃんはコレです。(ソフトクリームのコーンを食べているカット)

三品

たしかにコレは赤ちゃん(笑)。

小玉

このあたりは全体的に赤ちゃん(笑)。かわい〜。



──小玉さんの写真集『素顔』は、京都で撮影したんですね。

小玉

そうです。写真集の打ち合わせで、どういう風に撮りたいかを聞いてくださったので、「海で撮りたい」「お部屋の中で撮りたい」というように、ざっくりとしたイメージを伝えた中で、スタッフさんに京都を提案していただきました。京都は行ったことがなくて、日本の県の中で一番行きたかった場所だったのですごくうれしかったです京都も実は海があるので、水とのカットもいっぱい撮れました!京都らしいおしゃれな街並みでもたくさん撮れたので、見ていた飽きないような内容になったんじゃないかなと思いました。


──他にやりたいことは叶えられましたか。

小玉

最後の方のページで、自分で撮りたい内容をメンバーそれぞれが決められるコーナーがあるので、細かく言わせてもらいました。お花と撮りたくて、作品撮りっぽくしてもらいました。すごく楽しかったです。京都で3日間撮影したんですが、このシーンは1か月近く空いてから、都内で撮ったものなんです。京都で一緒に撮影していたチームでまた集まれるというだけでもすごくワクワクしました。思っていた以上に世界観をしっかり作り込んでくださっていたので、かわいくてうれしかったです。


──素敵ですね。ちなみに三品さんはそのコーナーでどんなことをしていたんですか?

三品

私は特殊なメイクがしたくて、キラキラを顔につけて撮ってもらいました。衣装もそれに合わせて、不思議な感じの写真にしたかったんです。普段はこういうビジュアルを使うことがないと思ったので、このタイミングで残したいな、ということで撮影してもらいました。


──なるほど。それぞれの個性が出る良いコーナーですね。

小玉

はい、みんな個性がすごく出ていました。


──京都も楽しめましたか。

小玉

はい、街並みを歩くだけでも京都を感じられるので、すごく楽しかったです。自然豊かなところにもたくさん行かせてもらいました。私は北海道出身なんですが、上京してきてからは自然に触れ合う機会も少なくなっていたので「やっぱり自然が大好きだな」と改めて感じられて、リフレッシュできました。


──今回、京都を堪能した小玉さんですが、たとえば京都でデートをするとしたらどんなコースが理想ですか?

小玉

いわゆる観光スポットと言われるようなところ、天橋立なんかも、写真よりも生で見る感動がすごかったので、みんなが行きたくなる理由がわかりました。他にも、観光スポットになる理由がわかるようなところだらけだったので、写真集で行った撮影スポットを全部回るデートがしたいです。

三品

巡礼(笑)。


──すでに行った場所と全部同じでいいんですね(笑)。

小玉

同じところでいいです(笑)。全部また行きたいと思える素敵な場所だったので!


──虫に関するハプニングがあったと伺いました。

小玉

ありましたね。体に虫が止まったんですけど「見ないで!」ってスタッフさんに言われたので、撮影の時は見てないんです。でも、見てないのに泣いたので、本当に見なくて良かったなと思います。


──それは何の虫だったんですか。

小玉

カマキリでした。それも2か月後くらいに聞いたんですよ。私、うわってなっちゃうから聞きたくもなくて...。でもこういう取材とかで話せるなと思って、一応、何が止まっていたのか聞いておきました(笑)。


──カマキリが飛んでくるのはなかなか嫌ですね...。

小玉

でも、おかげでエモい良い写真が撮れたので、あの時のカマキリにはちょっと感謝してます(笑)。


──三品さんから見た小玉さんの写真集『素顔』はいかがでしたか?

三品

“素顔”出てるなって思いました。


──小玉さんの素顔ってどんなものでしょう。

三品

小玉ちゃんは最近、ちょっと大人っぽい顔をしていることが増えてきていると思うんです。普段、アイドルとして見せる笑顔とはまた違う、すごく自然な飾らない笑顔をこの写真集ではしていて「こういう表情の写真を梨々華が選ぶんだ」「いろんな顔を入れてくれたんだな」とすごく思いました。私にも見せない顔でしたね。


──小玉さんもまだメンバーに見せていない顔があるんですね。

三品

ありましたね(笑)。昔の無邪気な梨々華というか、ちょっと子どもっぽいところ、心の奥の方にいる梨々華を連れてきたみたいな印象があります。中学生くらいの“あの頃の梨々華”がよみがえります(笑)。


──小玉さんはあの頃とは変わっちゃったんですか。

三品

変わっちゃいましたね...(笑)。いや、大人にはなっていますけど、時々はあの頃みたいな時もありますよ。垣間見えていた無邪気な部分を、ちゃんと晒してくれた感じがします。


──昔からのファンの方にはうれしいですね。

三品

私はそう思ったから、そうかもしれませんね。


──ちなみに、お二人それぞれのメンバーしか知らない“素顔”ってなにかありますか?

三品

梨々華は意外と心配性です。肝が座っているような感じに見えていると思うんですけど、吹っ切れるまで長いかもしれません。


──どういうことを心配するんですか?

小玉

なんだろう。でも日々心配ばかりしています(笑)。普段は、メンバーをはじめ周りの方たちが根拠がなくても「大丈夫」って言ってくれることが心強いんですよね。人から「大丈夫」って言われないと心配になっちゃう。お仕事でもプライベートでも、準備をしっかりして、周りからの支えがあって、しっかり立てるタイプなんです。


──三品さんの素顔はいかがですか?

小玉

瑠香も心配性だなと思います。あとは、瑠香の無邪気さは、今でも私たちが一番近くで見れているんじゃないかなと思うんです。ライブ中も無邪気な顔は見せてくれるんですけど、本当に子どもっぽいところというか、うれしい・楽しいを体で表現する瑠香に戻ることも、楽屋とかでは結構あります。好きな話をしている時とか、美味しいお菓子を食べている時とか。そういう姿はお仕事ではそこまで出ていない瑠香なんじゃないかなと思います。


──この取材は年末に行っているということで、2022年についても振り返ってもらいたいと思っています。2021年末に元メンバーの坂元葉月さんが卒業されて、グループにも変化があった一年かと思いますが、いかがでしたか。

三品

必死でしたね。メンバーが一人抜けることによってグループがどうなるか、まったく想像できていませんでした。実際にそうなってなってみたら、4人のわーすたでは初めてのことがたくさんあって、その度にすごく不安でした。初心にかえって、「頑張らなきゃ」と心が燃える瞬間が増えました。一人ひとりが「頑張り」を増して、補わなきゃいけないという責任感みたいなものが強まったかなと思います。

小玉

私も振り返ってみると、毎日がむしゃらに、目の前のお仕事をこなすことに必死だったなと思います。これから先も頑張っていくという気持ちは持っていましたが、いっぱいいっぱいで先のこともそこまで考えられていなかったというか。4人になるだけで、こんなにいろんな面で変わるのかって。自分の気持ちをしっかり保つのにも必死でした。そういう時に、形が変わっても好きでいて、応援してくれているファンの方がいるということを、日々のライブで感じることができたんです。ライブがたくさんあって良かったなと思う一年でした。私たち自身も気持ちを切り替えることは難しいと感じていたので、ファンの方もすぐに受け入れることは難しかったと思います。いろんな気持ちを抱えながらも会いに来てくれたり、応援してくれた方たちがたくさんいたので、恩返ししていきたいなと強く感じていました。


──2023年はどのような活動をしたいと思っていますか。

三品

今回、写真集を一人ひとりが出したこともありますし、今後も一人ひとりの個性をより伸ばして、パワーをつけていけたらいいんじゃないかなと改めて思いました。そうして集結したら、パワーがもっと莫大なものになるんじゃないかなって。


──2023年は2月22日猫の日に『すまん、犬。』という犬への気持ちを押し出したシングルの発売も予定されていますが、これまで通りの猫ではなく犬にフィーチャーした年になるんですかね。

小玉

2023年も猫の予定ではあります(笑)。

三品

ただ、犬に謝りはします。

小玉

謝りはするけど、方向性は変わりません(笑)。


──猫耳を今も着けていらっしゃいますが、犬の耳にしても見た目自体はそこまで変わらないですよね?

小玉

そうなんですよね。

三品

犬って、後ろから見たらほぼ猫なんですよね。耳だけ見たら猫耳とほとんど形の変わらない犬が多いので、犬耳と言っても意外とバレないと思います。

小玉

どっちにも行けるよっていう感じですかね(笑)。最近気付きました。


──猫耳も長いことされていましたが、また新たな発見があったんですね...(笑)。廣川さんは以前の取材で猫耳を外したいとおっしゃっていました。

小玉

いろんなメディアでよく言っていますね(笑)。

三品

よく心折れないなと思います(笑)。


──三品さんに「無理だから」と言われると。

三品

そこまでがセットなんですよね(笑)。私は今さら、そこまで熱意を持って「取りたい!」とは思わないです(笑)。

小玉

ここまで築き上げてきたものを、なんだかよくわからないタイミングで外したくはないんですよね。外すなら、ちゃんとなにかの節目とかで、一大イベントにしたいです(笑)。

三品

ほぼ人生なんで(笑)。


取材・文・撮影:山田健史

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