いまや全世界で熱狂的な盛り上がりをみせるe-sports。その人気と同時に、プロゲーマーだけでなく、多くのストリーマーやゲーム実況者がYouTubeやTwitchといった配信プラットフォームを主軸に、自身のゲームプレイを配信している。

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 そんな環境で絶大な人気を誇り、そのムーブメントを牽引してきたゲームのひとつに、エレクトロニック・アーツの『Apex Legends』が挙げられる。

■『Apex Legends』とCRカップ

 『Apex Legends』は2019年に配信を開始して以来、バトルロイヤルFPSの金字塔としてその人気を爆発させた。本作は、「レジェンド」と呼ばれるさまざまな能力をもったキャラクターを操り、3人1組のチームで生き残りを目指すゲームだ。

 そんな『Apex Legends』の盛り上がりを国内で強力にアシストすることになったのが、プロゲーミングチームCrazy Raccoonが主催する「CRカップ」の存在である。CRカップはさまざまなゲームタイトルで開催されており、公式や参加者の配信などを合計すると、50万人以上の同時接続を誇るアジア最大級のe-sportsイベントだ。

 CRカップの『Apex Legends』部門である「Crazy Raccoon Cup Apex Legends」は、2020年8月29日に第1回大会が開催された。練習や顔合わせ、カスタムマッチなどを含めた大会期間中、SNSやTwitterのトレンドはCRカップ一色で染まるのだ。そんな本大会の記念すべき第10回大会が、2023年1月21日に開催される。

 しかし残念ながら、「Crazy Raccoon Cup Apex Legends」はこの第10回大会を持って終了することが発表されたのだ。

 実際、Crazy Raccoonの公式Twitterで公開された予告動画では、”また会う日まで”というメッセージが添えられている。

■さまざまなドラマや盛り上がりをみせた過去大会

 CRカップのルールでは、マッチスコア形式の5試合制を採用しており、各試合で順位ポイントやキルポイントが付与され、最終的に5試合の総合獲得ポイントで順位が決定する。

 記念すべき第1回大会では、BobSappAim、shomaru7、花芽すみれの「Team 牛角3150」が総合優勝に輝いた。第4試合を終えて5位という順位だった「Team 牛角3150」は、最終戦で上位チームが次々に落ちていくなか、個々のスキルはもちろん、掛け声や状況報告などで抜群のチームワークを見せ攻めの姿勢で行動。残り3部隊でBobSappAimと花芽すみれが倒されると、shomaru7が粘りで怒涛の3タテ(1人で1部隊をキルする)を披露しドラチックな逆転優勝を掴み取った。

 第2回大会では、花芽すみれ、Cornn、Rasの「すみっこにゃんこーん」が総合優勝。優勝は逃したが、渋谷ハルが大会中に見せた「誘拐ポータル」(キャラクターのスキルを使用し、敵を自部隊まで突然誘拐してキルを取るという技)は話題になった。

 これで花芽すみれは2大会連続総合優勝となり、さらに後述する9.5回大会でも「Star☆Flower」というチームで優勝、9回の開催のうちトップタイで3度の優勝に輝いている。

 同じく3度の優勝を果たしたのは、Crazy RaccoonのStreamers部門に所属するCpt。彼は第4回、第7回大会で優勝し、9.5回大会では花芽すみれ一ノ瀬うるはと共に「Star☆Flower」に所属した。

 CRカップには多くの著名人が出場することもあり、第7回大会にはHey! Say! JUMP山田涼介が出場したことが話題になった。このときは、渋谷ハル、叶と共に「ドーム公演」というチーム名で参加。惜しくも総合優勝は逃したが、第4試合ではかなりの絶望的な状況から奮闘し、渋谷ハルの的確なオーダーもあってチャンピオンを獲得。総合では見事3位に輝いた。

 さらに第9回大会では、第7回大会にも出場した山田涼介に加え、女優の本田翼が渋谷ハル、kinakoとともに参加を表明し、世間をにぎわせた。

 残念ながら9回大会は、大会前に開かれたカスタムマッチでの回線のエラー落ちの影響で開催を断念。急遽別タイトルゲームでの開催になった。後日、一部メンバーの入れ替えを行い、第9.5回大会が開催されたのだった。

■ゲームで広がる熱狂の輪、参加者とファンが一体になって生み出すムーブメント

 プロゲーマー、人気ストリーマー、ゲーム実況者、VTuber、漫画家、芸能人など、多くの参加者が『Apex Legends』という共通点で集まりガチンコでぶつかり合うCRカップは、チームの顔合わせや準備期間から本番さながらの熱量で盛り上がりが生まれる。

 たとえば、普段はストリーマーのファンでその配信を見ている人たちが、CRカップで同じチームになったVTuberやプロゲーマーも好きになる……といった好循環が生まれている。チームに集まるそれぞれのファンが、チームのファンとなり、ジャンルを横断して参加者もファンも熱狂の輪を広げていくのだ。

 加えて、参加者のなかには業種や普段の活動の場は違えど、SNSで数十万、数百万単位でのフォロワーを抱えるインフルエンサーも少なくない。

 そしてファンは、圧倒的なプレイ人口を誇る『Apex Legends』を好きなインフルエンサーがまるで部活動のように堅苦しさを感じさせない程に楽しみつつ、本気で勝負をするという姿を目の当たりにする。そこに生まれる絶妙な雰囲気と熱気は、カジュアルな競技プレイの視聴体験を多くの視聴者に浸透させることに成功した。まさに、ゲームをスポーツ観戦のような気軽さで楽しめるのだ。

 さらにゲームの純粋なプレイの上手さだけでなく、物資を漁っているときのふとした雑談や、チーム練習時の掛け合いなど、プレイ以外で垣間見える人間性や雰囲気を丸ごと楽しめるのも、CRカップならではの醍醐味だ。

■第10回大会はいよいよ1月21日開催!

 1月21日18:00より、「第10回 Crazy Raccoon Cup Apex Legends」が幕を開ける。ちなみに、1月18から20日の3日間では本番さながらのカスタムマッチが開催されていた。

 You Tubeでは歌い手でもあり、『Apex Legends』でも屈指の実力を持つ天月のチャンネルにて神視点の配信が行われている。

 今大会には、芸能界からHey! Say! JUMP山田涼介や、ゲーム好きで有名な乃木坂46の吉田綾乃クリスティーも参加を表明している。また人気ストリーマーである関優太、SHAKASPYGEAらがチームとして出場することも話題に。優勝経験メンバーや常連の参加者はもちろん、ゲーム実況で人気の幕末志士・坂本や、もこうの初参加でも盛り上がっているようだ。

 参加者たちはすでに現在開催されているカスタムマッチへの参加、顔合わせ、練習などを配信しており、いよいよ明日に迫った本番へ向けて、盛り上がりが最高潮になっている。

 最後のCRカップでいったいどんなチームが優勝に輝くのか、そして本番ではどんなドラマが生まれるのか。歴史に残るその瞬間を、ぜひあなたの目で見届けてほしい。

画像=Crazy Raccoon公式Twitter
(にしなののか)

『Apex Legends』より