豪華列車の旅として有名なのが、ヨーロッパ初の大陸横断急行列車「オリエント急行」です。
そんな過去の豪華列車が、今度は海を渡る巨大な帆船として復活するようです。
フランスのホテルチェーン「アコー(Accor)」が、同じくフランスの造船会社「アトランティーク造船所」と共同で、世界最大の帆船「オリエント エクスプレス シレンシーズ(Orient Express Silenseas)」を発表しました。
2026年には、オリエント急行の名にふさわしい豪華なクルーズ旅行が楽しめます。
豪華列車「オリエント急行」
「オリエント急行」または「オリエント エクスプレス」の名で知られる豪華列車は、1883年に開通したヨーロッパ初の大陸横断急行列車でした。
国境を越える寝台車として画期的であり、豪華な内装や行き届いたサービスが特徴的でした。
1930年代の最盛期では王族や富豪が愛用しており、高い人気から小説や映画などさまざまな作品の題材として扱われました。
例えば、1934年のアガサ・クリスティ作「オリエント急行殺人事件」などが有名です。
このオリエント急行を所持する「国際寝台車会社」を設立したのは、ベルギーの実業家ジョルジュ・ナゲルマケールス氏でした。
彼は1867年、ヨーロッパとアメリカを結ぶ大西洋横断船に乗り込み、アメリカ旅行を楽しみました。
船内にはレストラン、ラウンジ、図書館、娯楽施設が備わっており、豊かで豪華な内装にナゲルマケールス氏の心は惹かれました。
さらにアメリカでは、当時ヨーロッパにはなかった寝台車と出会うことに。
こうした経験が、今では伝説的な「オリエント急行」の発足に繋がったようです。
オリジナルの「オリエント急行」は時代と共にさまざまな変化を経験し、2009年で最後の運行を終えました。(現在、オリエント急行にちなんだ列車は他にも存在します)
ところが最近、オリエント急行に復活の兆しが現れました。
フランスのホテルチェーン「アコー(Accor)」がオリエント急行ブランドの株式の50%を購入し、2025年に豪華列車「オリエント急行」を復活させる予定だと発表したのです。
オリエント急行の復活劇はこれだけではありません。
実業家ジョルジュ・ナゲルマケールス氏が感銘を受けた船旅を「海のオリエント急行」として新たに発足する予定なのです。
オリエント急行の伝説を「世界最大の帆船」で体験できる
最近アコー社が発表したのは、オリエント急行の名をもつ巨大帆船「オリエント エクスプレス シレンシーズ」です。
これは世界最大の帆船であり、サイズは220m、総トン数2万2300です。
3つの巨大な帆があり、それぞれの面積は1500m2で、高さ100mのマストに取り付けられます。
アコー社によると、気象条件がそろうなら、これらの巨大な帆だけで船の推進力100%を賄えるようです。
それが難しい場合には、液化天然ガス(LNG)で動作するエンジンに頼ることができます。
そして、オリエント エクスプレス シレンシーズの一番の特徴は、その豪華な内装にあります。
オリエント急行の象徴である「贅沢の神髄、絶対的な快適性、夢」を体現するためにデザインされます。
この特徴は、王族や作家、芸術家、映画スターが楽しんだ「当時の快楽主義」への回帰を告げるものになるのだとか。
現在、内装のイメージは公開されていませんが、2025年に復活する列車「オリエント急行」に負けないほど豪華なつくりになるでしょう。
船内には合計で54室のスイートルームがあり、そのすべてが平均70 m2という広々としたサイズです。
また船内には2つのプール、2つのレストラン、バーが備わる予定です。
そのほかにも劇場や音楽、スパ、瞑想など、現実を忘れるほど豊かな体験ができるようです。
アコー社によると、オリエント エクスプレス シレンシーズは2026年に運航が開始される予定です。
はたして一般人に手が届くのか不明ですが、あと数年で夢のように快適で贅沢な船旅が実現するでしょう。
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