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 1月23日大谷翔平が所属するエンゼルスは、オーナーであるアート・モレノ氏が球団売却の計画を注視することを発表した。これにより、2023年シーズン以降も引き続き、モレノ氏が球団を所有することとなった。

 昨年8月、エンゼルスより球団の売却を検討していることが伝えられ、その後、売却に向けた手続きも開始したことを発表。さらにNBAウォリアーズのオーナーを務めるジョー・レイコブ氏が買収に関心があることを認めたことなども報じられていた。

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 シーズンの開幕が近づいてきており、売却時期についてもさまざまな憶測が流れていた中、一転しての計画の中止。モレノ氏はその理由について「我々にはやり残した仕事がある。ファンのために再びワールドチャンピオンになる」として、エンゼルスへの強い想いがあると話したとされている。

 これにより、注目を集めるのが来オフにフリーエージェント(FA)を迎える大谷翔平の去就だ。すでに、FAやトレードでの移籍が囁かれ続け、有力候補となる球団名なども挙げられてきている。シーズン開幕後のチーム状況の他、エンゼルスの売却も大きく影響を及ぼすものとみられていた。何より、大谷の勝利への意欲が、低迷するエンゼルスからの移籍の理由の一つとの意見も少なくなかった。

 だが、今後も球団がモレノ氏の所有となることが決定し、オーナー自身もチームの勝利を誓っていることで、大谷が求める「ポストシーズン進出」が現実のものとなるのであれば、日本人スターの移籍の理由が減ることも確かだ。

 そして米国内でも、今回の売却中止により、大谷がエンゼルスに留まることも十分に考えられるとされており、ニュースメディア『nj.com』は、1月24日に配信された記事の中で「モレノがアナハイムで勝者を作ることに専念している今、オオタニと再契約する可能性は高まった」と見解を示した。

 その上で「オオタニに5億ドルを投じることを夢見ていたニューヨーク・ヤンキースニューヨーク・メッツのようなビッグマーケットの球団にとって、これは悪いニュースだ」として、他球団についても、大谷獲得の見込みが小さくなったと言及している。

 記事では他にも「我々は、エンゼルス球団の、次の未来に興奮している」とモレノ氏が語ったコメントも掲載している。今オフ、積極的な補強を行なっていることでシーズンへの期待も高まっているエンゼルス。売却は見送られオーナーの意向も明らかになったものの、チームの浮沈が大谷の今後を大きく左右することは変わることは無いだろう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

エンゼルス、球団売却中止の発表で米メディアが大谷翔平との再契約に言及「ヤンキースやメッツにとっては悪いニュースだ」