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バングラデシュ南東部チッタゴンを12日に出発し、マレーシアのクラン港に17日に到着した輸送コンテナの中から14歳の少年が見つかった。当局は当初、人身取引を疑ったものの、少年は「コンテナで友達と遊んでいるうちに閉じ込められてしまった」と話しているという。海運ネットニュース『TradeWinds』などが伝えた。

バングラデシュ南東部チッタゴン管区クミッラ出身のラツゥル・イスラム・ファヒム君(Ratul Islam Fahim、14)が17日、マレーシアのクラン港に到着した輸送コンテナの中から発見された。

港湾労働者がその日到着した空のはずの輸送コンテナの中からノック音を聞き、「犯罪組織による人身取引ではないか」との疑いが浮上、現場には海上警察やマレーシア入国管理局、クラン地区保健省などの職員が駆けつけた。

発見当時のラツゥル君は酷く混乱し、衣服は汚れて衰弱がみられ、マレー語の質問には全く答えることができなかったそうで、地元の病院に搬送されて手当てを受けた。

現在容体は安定しており、ベンガル語で名前を聞かれると「ファヒム」と答え、コンテナに閉じ込められたことについては「友達と遊んでいるうちにコンテナの中で寝てしまった。いつ鍵が閉まったのかは分からない」と話したという。

なおラツゥル君がコンテナから発見されたニュースはバングラデシュでも報じられ、ラツゥル君はチッタゴン管区クミッラに住む日雇い労働者ファールーク・ミアさん(Faruk Mia)の長男であることが判明している。

両親はニュースの写真を見て「息子だ」と確信したそうで、ラツゥル君が3000キロ以上離れたマレーシアで発見されたことに驚きを隠せない。それというのもラツゥル君、約2か月前に家を出たまま行方が分からなくなっており、両親は「もう見つからないだろう」と諦めていたというのだ。

ラツゥル君の叔父アズガー・ミアさん(Azgar Mia)は地元メディアの取材に、「ラツゥルは3兄弟の長男で言葉がなかなか出なかった。知的障がいがあり、約2か月前から行方不明で、家族はラツゥルを必死に捜したが見つけることはできなかった。一家の生活は苦しく、その後の捜索を諦めかけていた時にこのニュースを知った」と述べているという。

ちなみにマレーシア政府は現在、ラツゥル君を同じコンテナ船でバングラデシュに送還する手続きを進めており、このニュースには「コンテナ船で返すの? 早く安全に帰れますように」「家族は一刻も早く会いたいだろうね」「これはトラウマになるね」「港に出入りする時の検査はどうなっているの? 本当は人身取引なのでは?」「マレーシアだったから命が助かったようなもの」「真相は闇の中なのかもね」といったコメントが寄せられている。

画像は『The Star 2023年1月20日付「Boy trapped in shipping container for five days」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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