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カナダの野生動物愛好家の男性が今月12日、ドローンによる空撮で雄のヘラジカが両方の角を同時に振り落とす“瞬間”を捉えた。抜け落ちた後の角を見つけることは特に珍しくはないものの、実際に角が落ちる瞬間が撮影されるのは非常に稀なことで、男性は「一生に一度あるかないかのチャンスだった」と語っている。カナダ最大のニュース放送局『CBC News』などが伝えた。

カナダで森林の管理、運営のスーパーバイザーとして働くデレク・キース・バーゴインさん(Derek Keith Burgoyne)は12日午後、ニューブランズウィック州プラスター・ロックの森でドローンを操縦中、雪の中に3頭の雄のヘラジカがいるのを発見した。

ヘラジカの雄は毎年、冬のこの時期に角(枝角、アントラーとも呼ばれる)を落とすことで知られており、3頭のうち2頭の角はなかったが、デレクさんは立派な2本の角が残っていた1頭に注目、早速ドローンによる撮影を開始した。

そしてそのヘラジカズームインした直後、信じられないようなタイミングで奇跡の瞬間が訪れた。デレクさんは当時のことを「ヘラジカが立ち止まり、体をブルブルと震わせた数秒後、両方の角がほぼ同時に雪の中に落ちたんだ!」と興奮冷めやらぬ様子で語ると、このように続けた。

「僕は子供の頃から抜け落ちたヘラジカの角を収集していてね。雄が体を震わせるのを見た時に『もしかしたら落角するかも知れない』という予感がしたんだ。そうして2本の角が抜け落ちた瞬間、身震いがした。きっとアドレナリンが放出されたのだろうね。」

デレクさんによると、ヘラジカが片方の角を落とした後、もう一方が落ちるまで1週間、またはそれ以上かかることもあるそうで、過去に1本の角が抜け落ちる瞬間を捉えたことがあったものの、両方というのはこれが初めてだったという。そのため今回の経験についてデレクさんは「野生動物の撮影という観点からすれば、今回は宝くじに当たったようなもの。本当に最高だったよ」と述べ、自身の幸運を喜んだ。

なおデレクさんはドローンでの撮影後、雪に埋もれた2つの角を見つけて、自宅のコレクションに追加している。その角は左右の端から端までが約114センチ(45インチ)、ポイント(枝分かれの数)が17あったようで、「3~4歳くらいだろう」と推測した。また現在はポイントが約30~34あるヘラジカに興味を持っており、“キング(King)”と呼んで目を付けているそうだ。

オンライン版『ナショナルジオグラフィック』によると、雄は毎年、春から夏にかけて角を成長させるそうで、米メイン州内水面漁業野生生物局でヘラジカについて研究を行っているリー・カンター氏(Lee Kantar)は「角は生え変わるたびに大きくなるものの、体の成長がゆるやかになる11歳くらいになると角の伸びも小さくなる」と指摘している。

ちなみに米アラスカ州でも先月、民家の玄関前で両方の角を同時に落とすヘラジカの映像が偶然捉えられ話題となっていた

画像は『New York Post 2023年1月23日付「Moose loses antlers in ‘once-in-a-lifetime moment’ caught on video」(Derek Keith Burgoyne via Storyfu)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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