悩む・悩み・苦悩・女性・困る・絶望

障害を持つ人には、健常者には計り知れない苦悩があるのだろう。医療は発展し、さまざまな分野の研究が進んだ現在でもなお、原因不明あるいは治療薬のない病気や症状がある。

このたび、隔離性同一症(多重人格障害)が認められた女性がその苦悩を告白し、世間の関心を集めている。イギリスの『Daily Mail』や『The Telegraph』が報じた。


■40の人格が見え隠れ

ユーチューバーとして活躍しているフランス人のオリンプさん(23)は、隔離性同一症と診断されており、本人のなかに40もの人格が見え隠れするという。

幼少期に受けた性的虐待と、里親の元を転々としたことがトラウマとなり、隔離性同一症を発症したのではないかと指摘されたそうだ。25万人以上のフォロワー数を誇るInstagramやYouTubeチャンネルで、日々のライフスタイルや苦悩を公開している。


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■安楽死の意思を表明

そんななかで先日、オリンプさんは「つらすぎて今年の年末に安楽死をするつもり」「今、そのことでベルギーの医師と連絡を取り合っているの」と動画で告白し、世間を驚かせた。

現在はオランダベルギールクセンブルクスイスカナダコロンビアスペインなどで安楽死が認められており、スイスには条件を満たせば外国人の自殺ほう助を受け入れてくれる団体もある。

またオリンプさんが選んだベルギーは、EU加盟国の国籍と医師の同行を条件に安楽死が可能だという。


■「ころころ変わる自分にうんざり」

オリンプさんは「いろいろと悩んだ末に下した決断なの。議論は不要よ。だって私の人生だもの」「日々ころころと変わる自分の精神状態にうんざり。もう耐えられない」と明かした。

さらに「現在人生に悩んでいる人は、とにかく周りに頼りになる人を見つけて。安易に私のマネはしないで」と訴えているオリンプさん。それに対し世間からは、安楽死や自殺ほう助も含めさまざまな意見が寄せられている。


■ベルギーは別名「死の病棟」とも

もっとも、オリンプさんが連絡を取っているとされるイヴ・デ・ロヒト医師は、メディアの取材に「うちのクリニックは安楽死装置なんかではありません」「医療記録の調査をはじめ、いくつものプロセスをクリアする必要があり、実施には数年かかります」と反論する。

近年、安楽死のためにベルギーを訪れるフランス人が急増し、世間から「死の病棟」などと呼ばれるようになっていることに懸念を示す人は多いようだ。

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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ

40の人格を持つユーチューバーが苦悩を告白 「近い将来、安楽死を望んでいる」