
猛特訓の末、数々の危険と背中合わせになりながらも、人間のために働いてくれる警察犬は愛すべき相棒であり仲間である。彼らは署内の規律も人間同様守らなければならない。
ところが、米ミシガン州の警察署に所属するK9、ジャーマンシェパード犬のアイス警官は、あろうことか同僚のランチを盗んだと窃盗容疑がかけられた。
マグショットを撮られ、署のFacebookアカウントでシェアされたアイス警官の姿を見たユーザーらからは、警察犬を告発した署に非難の声があがった。
更に「起訴すればアイス警官を弁護する」と、数十人の弁護士が名乗り出たという。
1月12日、ミシガン州ウェイン郡ワイアンドット市にあるワイアンドット警察のFacebookアカウントを見たSNSユーザーらは、犬のマグショットに驚かされた。
それは、同警察署で働く警察犬「アイス」警官の姿で、なんと窃盗事件の第一容疑者となっており、詳細がこのように綴られてあった。
[もっと知りたい!→]疑惑を問い詰められ、自責の念にさいなまれる犬の表情
窃盗は犯罪であるだけでなく、警察官としてのモラルに反します。
警察官などの公務員は、就業開始前に宣誓を行っています。職員の宣誓書には、個人の財産を保護する約束もあります。
にもかかわらず、ワイアンドット警察署の現役警官(犬)が窃盗容疑で捜査を受けていると報告するのは、悲しいことです。
事件は2日前に署内で発生しました。 バーウィッグ警官は、署の留置場にいる被疑者に対応するために呼び出された時、休憩室で昼食をとっていました。
彼はすぐに席を離れるため、食べかけの昼食をテーブルに残しました。
しばらくして、同警官と別の警官が休憩室に戻ると、そこにはアイス警官(犬)の姿が。
満足そうに舌なめずりをしながら、ゆっくりと部屋を出ていくアイス警官。一方で、バーウィッグ警官の昼食はすべて忽然となくなっていたのです。
アイス警官は黙秘権を行使しており、捜査に協力的ではありませんが、彼には前科があります。
彼は手の届く範囲にあるゴミ箱をかき回して物色していたところを何人もの目撃者によってみられています。
他にも、同僚が通りかかった時に、彼が同僚の手から食べ物を奪ったといういくつかの告発もありました。
当署は、この調査の進め方について、Facebookフォロワーに意見を求めたいと思います。
複数の弁護士がアイスの弁護を申し出る事態に
Facebookの投稿を見たユーザーらからは、「ランチを置いたままにする警官に非がある」「躾をしっかりしないハンドラーが悪いのであって、アイスは悪くない!」「状況証拠のみで、起訴はできない」などという声が寄せられたほか、アイスを弁護すると名乗り出た弁護士も多数いたようだ。
これを受けて、ワイアンドット警察署は18日、次のようにFacebookを更新した。
何十人もの弁護士が、アイス警官の弁護を無償で申し出てきました。調査や起訴を進めれば、大規模な抗議活動を行うと同署を脅しました。
さらに一般大衆は、アイス警官を告発するなんてひどい!!と非難の声をあげています。
結果として、アイス警官は内部規律や刑事告発を受けることはありません。
ちなみに、アイス警官の地元のサポーターであるイタリアンサンドイッチ店「ランチ ワイアンドット」は、アイス警官が十分にごはんを与えられていないのではと懸念して、カスタムメイドのサンドイッチを提供してくれました。
余談ですが、彼らは同僚の警官たちにもサンドイッチを差し入れしてくれました!
警察のジョーク投稿だったが、結果的に大盛り上がり
最初からワイアンドット警察は、アイス警官を告発するつもりなどなく、あくまでもジョークとしてマグショット写真を撮影し、公開しただけだ。
この件で、ワイアンドット警察はSNSを介して地域の人々と大いに交流をはかることができたようだ。
最初からそれに気付いていたユーザーからは、「うまいやり方だ!!」といった称賛の声が寄せられている。
References:Police slammed for investigating adorable dog as prime suspect in major theft/ written by Scarlet / edited by parumo

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