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カナダ在住のある女は2019年に泥酔状態のまま車を運転し、4軒の民家を破損させる大事故を起こした。女は有罪判決を受けるも、このほど運転前にアルコールを提供したバーを運営する会社を訴えた。カナダ公共放送のウェブサイト『CBC.ca』などが伝えている。

2019年8月のこと、カナダのオンタリオ州ウォータールーに暮らす当時23歳のダニエラ・リーズ(Daniella Leis、26)が、飲酒運転による大事故を招いたことで有罪となった。ダニエラは同月14日に米ミュージシャンのマリリン・マンソンのコンサートを観覧するため、同州ロンドン市内にある「バドワイザー・ガーデンズ」を訪れていた。

ダニエラは会場内にあるバーでかなりの量を飲んだが、そんなこともお構いなしにそのまま車を運転して自宅に戻ろうとした。ところがダニエラは市内のクイーンズ・アベニューを逆走し、ウッドマン・アベニューに差し掛かかった後、1軒のレンガ造りの家に車を激突させてしまった。

かなりのスピードで激突したせいか、その家のガス管が破損して辺りにガスが漏れ出してしまった。ただならぬ騒ぎに気付いた近隣住民がすぐに緊急通報したことで、ダニエラは駆けつけた救助隊によって車から引きずりだされて救助されている。

しかし衝突から15分後、何らかの形でガスに引火し大きな爆発が起こってしまった。レンガ造りの家は吹き飛ばされ、レンガが勢いよく周辺に飛び散って近隣にある3軒の家を破損して火災を巻き起こした。この爆発で死者はいなかったものの、合計4軒の家が破壊され消防士2名を含む7人が負傷した。

また4軒以外にも燃えかすによって数軒が火災に遭い、付近一帯の水道とガスの供給が一旦停止された。米メディア『New York Post』によると、この爆発による被害総額は980万ドル(約12億7000万円)から1470万ドル(約19億円)になるという。

ダニエラは2020年10月に飲酒運転による4件の危険運転の罪を認め、2021年2月に懲役3年の実刑判決が言い渡された。さらに家を破損された住民からは賠償金を請求され、裁判の結果次第では被害総額として約1000万ドル(約13億円)もの損害賠償を支払わねばならないようだ。

そんな中でダニエラは思わぬ行動に出た。彼女は車の所有者でもある父親ショーンさん(Shawn)と共に、事故を起こす直前にダニエラが飲酒していたバドワイザー・ガーデンズ内にあるバーを訴えることにしたのだ。バーはカナダに拠点を置く「オベーション・オンタリオ・フード・サービス」が運営しており、2人は今月5日に同社を提訴し、総額で約497万カナダドル(約4億8400万円)の賠償金を求めた。

ダニエラとショーンさんは「同社のバー従業員はダニエラがすでに泥酔している、または泥酔するであろうにもかかわらずアルコールを提供し、店を後にする客の酔いの具合をチェックするセキュリティガードを出口に配置することを怠った」と主張。さらにダニエラの交通手段について「店側は知っているべきであり、ダニエラが飲酒後に確実に車を運転しないようにするための処置を取らなかった」と訴えた。

ダニエラとショーンさんは「住民からの損害賠償金を支払うことになるのであれば、同社は私たちに賠償金を支払う義務がある」と述べており、今後の裁判の行方に注目が集まりそうだ。

画像は『New York Post 2023年1月17日付「Woman sues bar ― after getting so drunk she blew up $10M home」(CTV News)(City of London, Ontario)(CBS News)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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