今月中旬、スペインのレストランで食事をしていた22歳の女性がアサリの中から希少な紫真珠を発見した。アサリハマグリなどの二枚貝から真珠が見つかる確率は1万個に1個と言われており、スペインのメディアは「50万円超の価値があるのでは?」と伝えている。

スペイン北西部ガリシア州ア・コルーニャ県に住むナタリアフレイレさん(Natalia Freire、22)は、同県ムーロスにあるスペイン地中海料理レストラン「カサ・サンペドロ(Casa Sampedro)」でウェイトレスとして働いている。

今月中旬のこと、ナタリアさんは同レストランをボーイフレンドと一緒に訪れ、自身はアサリの酒蒸しに似た一品料理「アルメハス・ア・ラ・マリネラ(almejas a la marinera)」を、彼はイカフライ「カラマリ(calamari)」を注文した。

「その日、どうしてもシーフードが食べたかった」というナタリアさん。一つ目のアサリを口にすると、小さくて硬い異物に気付いて取り出した。そしてとりあえず空殻の上に置き、残りのアサリを平らげた。

ナタリアさんは「異物が何なのか全く分からず、食べ終わってからグーグルで検索してみたところ、真珠であることが分かりました。カキの真珠というのは聞いたことがありますが、アサリハマグリなどの二枚貝から真珠がとれるとは知らなくて…本当に驚きました」と当時のことを振り返る。

またこの発見は同レストランのオーナー、ハビエル・ガルシアさん(Javier García)にとっても衝撃だったようで、ナタリアさんは「ボスは完全にショック状態に陥っていましたね。そして『こんなの人生で初めて見た!』と目を丸くしていましたよ」と語っている。

ちなみに日本の養殖真珠の母貝はアコヤ貝が多いものの、真珠はホタテハマグリアサリ、カキなどでも形成され、見つかる確率は1万個に1個(またはそれ以上)と希少だという。ただし厳密にいえば、ホタテハマグリアサリ、カキなどは「真珠様物質」と呼ばれ、真珠層を形成しないため宝石のような輝きもないそうだ。

なおナタリアさんが食べたアルメハス・ア・ラ・マリネラは19ユーロ(約2680円)だったが、スペインネットメディア『ABC』は「真珠ができるまで10年はかかる。今回見つかった紫真珠は4000ユーロ(約56万4600円)ほどの価値があるのではないか」と報じている。ただナタリアさんは見つけた真珠を鑑定に出しておらず、実際の価値は分からないという。

それでも地元では、二枚貝の中の珍しい紫真珠の噂が広まっているそうで、ナタリアさんは「街ではよく声をかけられるようになりました。それにシェフからは『これからはアサリハマグリを1つ1つ拡大鏡でチェックしなくてはならないから、料理を出すまでの時間が長くなるぞ』と言われているのですよ」と笑顔で語っている。

真珠は大きさ、形状、色、光沢、表面の傷の状態などで値段が決まるが、以前フィリピンで見つかった“世界最大の真珠”は真珠層を持たないオオシャコガイが作ったもので、その価値は100億円と言われていた

画像は『ABC 2023年1月25日付「El hallazgo de Natalia: una perla morada en una almeja… que vale 4.000 euros」(INSTAGRAM)』『casasampedro.bubbleapps.io 「Casa Sampedro」』『The Sun 2023年1月27日付「SHELL SHOCK I found a rare pearl worth £3,500 in my clam while dining at fancy restaurant – it made my date all the more romantic」(Credit: Jam Press)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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