『テレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編』と、4月にスタートする新シリーズ『テレビアニメ「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編』を繋ぐ新たな挑戦として、『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』が2月3日より公開される。劇場公開に向けて、作品の魅力を支える戦闘シーンのなかでも特に印象的な5つの名勝負を振り返って紹介する。

【写真】炭治郎、宇髄らを苦しめた上弦の陸 『鬼滅の刃』遊郭編場面写真

 アニメ『鬼滅の刃』は、家族を鬼に殺された少年・竈門炭治郎が鬼になった妹の禰豆子(※)を人間に戻すため《鬼殺隊》へ入隊し、仲間とともに鬼と戦う姿を描く剣戟冒険譚。吾峠呼世晴による同名の原作漫画は累計発行部数1億5000万部を突破している。

 ufotableが制作を担当し、2019年4月より『テレビアニメ「鬼滅の刃竈門炭治郎 立志編』の放送を開始すると社会現象を起こすほどの人気を呼んだ。翌2020年10月には『劇場版「鬼滅の刃無限列車編』が公開され、2021年から2022年にかけて『テレビアニメ「鬼滅の刃無限列車編』『テレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編』を放送・配信。世代を問わず多くのファンに愛される作品となった。

■命をかけて突破! 鬼殺隊の“最終選別”

 鬼殺隊の最終選別中に炭治郎が遭遇した手鬼との戦いは、本作で初めて本格的に描かれた戦闘シーン

 手鬼は巨大な体に無数の腕を持つ異形の鬼で、それまで50人以上の候補生を喰らってきたが、炭治郎は鱗滝の鍛錬によって会得した水の呼吸を使いこなし、これを打ち倒す。

 呼吸によって水を波のように刀にまとわせ、手鬼の首を切り落とす戦闘描写は視聴者を惹きつけた。

■見えない攻撃に苦戦! 移動で魅せる「水の呼吸」の新境地

 かつては鬼舞辻無惨(※)直属の精鋭“十二鬼月”にも属していた強者で、体に埋め込まれた太鼓を用いた血鬼術を駆使する響凱との戦いも印象深い。

 響凱は太鼓を叩くことで部屋を回転させ、見えない攻撃で炭治郎、善逸、伊之助を苦しめる。そこで炭治郎が繰り出したのは、水の呼吸「玖ノ型 水流飛沫 乱」。通常より素早く、かつ縦横無尽な移動を可能にするこの技で、水しぶきを上げながら回転する部屋中を駆ける炭治郎は一気に間合いを詰め、響凱の首を斬ることに成功する。

 攻撃だけでなく身のこなしにも水の呼吸を応用することで、新境地の戦いを見せた。

下弦の鬼と死闘! 恐怖の糸を切り裂く「ヒノカミ神楽

 『鬼滅の刃』の名勝負を語るうえでは、下弦の伍・累との戦闘も外せない。

 新たな指令を受け、炭治郎、善逸、伊之助が向かった那田蜘蛛山にいたのは下弦の伍・累。鋼のように強靭な糸を操る強力な血鬼術に、炭治郎たちは苦戦を強いられる。しかし戦いの中で、炭治郎は「ヒノカミ神楽」を受け継いでいたことを思い出す。

 竈門家に代々伝わる、ヒノカミ様に捧げるヒノカミ神楽。亡き父が舞う姿や教わった呼吸を思い出し、剣術に落とし込むことで“ヒノカミ神楽”の型を編み出した。その力は強く、塁の強靭な糸をも切り裂いてしまう。さらに、覚醒した禰豆子の血鬼術“爆血”が炭治郎の折れた日輪刀に付着し、その威力を強化。ついに累の首を切り落とす。

 このシーンで流れた挿入歌は「竈門炭治郎のうた」。大切なものを失い、打ちのめされても大切な妹を守り抜く炭治郎を表現している。音楽と映像、そして人間ドラマにより視聴者の胸を打った屈指の名シーンだ。

■上弦の参vs炎柱! 命を燃やした壮絶な戦い

 おそらく最も多くの視聴者の涙を誘った名勝負は、『劇場版「鬼滅の刃無限列車編』に登場した上弦の参・猗窩座と炎柱・煉獄杏寿郎(※)の対決だろう。

 猗窩座が使用するのは、身体能力を強化し、さらに相手の殺意や視線予測から攻撃を避けながら技を放つ血鬼術・破壊殺。これに煉獄は、煉獄家が代々受け継ぐ炎の呼吸を駆使して対抗。この時、炭治郎たちは目で追うことができないほどのレベルの違いを見せつけられる。

 映像では、炎の呼吸使用時に命を燃やす戦いを表現するように燃え上がる炎が印象的。そして作中でも類を見ないほど激しい奥義の応酬は、劇場の大スクリーンで見るにふさわしい迫力と素晴らしい演出で観客の目を奪った。

■圧巻! 宇髄天元vs上弦の陸の戦闘描写

 最後は、『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』でも第十話、第十一話が上映される「遊郭編」の戦闘シーン

 炭治郎、善逸、伊之助らは、音柱・宇髄天元とともに鬼の棲むと目される夜の街「遊郭」に足を踏み入れ、上弦の陸・堕姫との戦いに。堕姫は、時に鋭い刃物のように硬質化する帯を伸縮自在に操り炭治郎たちを苦しめたが、それでも、ヒノカミ神楽の力を引き出した炭治郎と鬼の力を発現させた禰豆子、そして宇髄の音の呼吸によって一時は堕姫を窮地に追い詰める。

 しかし、そこに堕姫の兄であるもう1人の上弦の陸・妓夫太郎が現れる。妓夫太郎は血を鎌のように振り回し、斬撃で遠距離攻撃も可能にする強力な血鬼術の使い手。その血鎌には猛毒が含まれており、かすっただけでも体が蝕まれていく。炭治郎たちはボロボロに傷つきながらも、この2体の鬼に打ち勝とうと抗うのだった…。

 特筆すべきは、宇髄と妓夫太郎の対決をはじめ、炭治郎我妻善逸、伊之助が総力で立ち向かう上弦の陸との戦闘描写。キャラクターのアクションはもちろん、背景に至るまで驚くほど緻密に書き込まれた作画と、それらを効果的に見せる演出が物語の魅力的を引き立てている。

 80を超える国と地域で公開される『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』では、「刀鍛冶の里編」第一話とともに、これまでテレビでしか放送されたことのない「遊郭編」の結末が初めて劇場で上映される。壮大なスケールで描かれる炭治郎たちの戦いは、ぜひ劇場のスクリーンと音響で味わいたい。

 『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』は2月3日より日本公開。

※「禰」の正式表記は「ネ+爾」
※「辻」の正式表記はしんにょうの点が1つ
※「煉」の正式表記は「火+東」

『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』場面写真 (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable