宮崎空港はロゴマークのちょっと艶めかしい電飾から、「ラブホ空港」なる異名が。しかしここ、実はこの俗称以外の点でも個性的で、かつ利用しやすい空港かもしれません。

ラブホ感ありありな看板!…でも館内は懐かしアイテムが?

日本ではSNS上を中心に、一般ユーザーから「ラブホ空港」なる二つ名を持つ空港があります。それが「宮崎ブーゲンビリア空港」こと宮崎空港です。しかしこの「ラブホ空港」、その俗称以外にも個性が強く、かつ利用しやすい空港といえるかもしれません。

宮崎空港の愛称が「宮崎ブーゲンビリア空港」に決定したのは2016年。ブーゲンビリアは県観光の父と言われた岩切章太郎氏が普及に努めた花で、宮崎空港シンボル的存在だったそうで、空港名はこれにちなんだものでした。

しかし、このとき作られた空港のロゴマークの電飾看板が「ラブホ空港」と一部のユーザーから揶揄されることにつながりました。というのも、この看板が特に夜間、艶めかしいピンク色に浮かび上がる様子などが、レジャーホテルの看板を連想させるようなものだったためです。

その一方で宮崎空港は、他の空港ではなかなか見られないような設備を、館内でいくつか見かけることができます。

まず保安検査場の入り口や、到着ロビーなどに設置されているのが、ソラリー式反転フラップ、いわゆる「パタパタ」式の発着案内板です。現在、日本の空港で設置されている案内板は電光掲示板方式のものが一般的となっているなか、昔懐かしい「パタパタ」式の案内板を採用している空港はレアです。

「踊る時計」&超ユニークな搭乗橋も!?

宮崎空港のターミナルビルの中央最上部には、ユニークな「からくり時計」が設置されています。この時計はおおむね1時間に1度のペースで扉が開かれ、音楽とともに、なかに入っていたからくり人形たちが踊り始める光景が見られます。このからくり時計は、高千穂地方に伝わる伝統芸能「岩戸神楽」をモチーフにしたものとのこと。またその上部にはステンドグラスも貼り巡らされており、空港内も独特の雰囲気を醸し出しています。

また、この空港で使用されている搭乗橋(ボーディング・ブリッジ)も珍しい仕様のものが導入されています。

ひなたらくちんブリッジ」と呼ばれるこの搭乗橋は、日本初の「小型機対応ロング搭乗橋」とのこと。宮崎空港国内線に就航する通常サイズ(150席以上)のジェット旅客機に対応できることはもちろん、100席以下で胴体も低いプロペラ旅客機DHC8-Q400にも接続可能な仕様となっています。小さい旅客機に乗降する旅客も、階段の昇降や駐機場の移動をすることなく、空港ビルと機体を往来できるというわけです。

なお、このように個性が強い宮崎空港ですが、市内と空港の距離が近くアクセスが良いことを強みとしています。空港と宮崎駅の距離は直線距離で5km弱。鉄道であれば約10分で行き来ができます。九州内でも、福岡空港に次ぐ都市部へのアクセス性の良さを持つといえるでしょう。

宮崎空港(乗りものニュース編集部撮影)。