アメリカ・フロリダ州沖合でフリーダイビングをしていた男性が、強い流れに飲み込まれて、仲間のボートから引き離されてしまった。
男性が行方不明になったことを聞いた家族は、通報を受けた沿岸警備隊とともに海にボートを出し、何時間も捜索を続けた。
そして奇跡が起こった。家族は、ブイをいかだ代わりにして海に浮かぶ男性を発見。歓喜の声をあげながら、男性を救助した。
船に引き上げられた息子を、両親が号泣しながらしっかりと抱きしめる感動の再会を捉えた動画が、SNSでシェアされると、大きな注目を集めた。
Family Spots Missing Relative Who Was Lost at Sea
1月19日の午後、ディラン・ガーテンマイヤー(22歳)さんは、フロリダ沖合約10メートルの地点で、友人2人と一緒にフリーダイビングを楽しんでいた。
日もそろそろ落ちる頃になり、引き上げようと友人2人はボートに乗ったが。ディランさんは最後のダイビングをするため、海へ潜った。
その時、強い流れに飲み込まれた。ディランさんは、水面下10メートルの場所まで引き込まれ、約2分間沈んだという。
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再び、海面に顔を出すことができたのは、仲間と乗ってきたボートから約1.6kmも離れた場所だった。ディランさんは大声で仲間を呼んだが、ボートは見えず、仲間の姿もなかった。
同じ頃、ディランさんの姿がボートの上から見えなくなったことを心配した仲間は、緊急事態と判断して沿岸警備隊に通報、救助を求めた。
また、ディランさんの父親にも連絡し、ディランさんが行方不明になったことを伝えた。
サバイバル技術を活かして漂流を続けたディランさん
救助活動が進行中だった時、ディランさんは岸から離れたところで漂流していた。
陽が沈み始め、サメがディランさんの近くを泳いでいるのが見えた。
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この時、ディランさんは上空を小さな飛行機が飛んでいるのを見たが、飛行機に乗った救助隊員は、ディランさんの発見には至らなかったようだ。
気温が下がり、寒気に襲われたディランさんの体は震え始め、手足が少し痺れだした。
事態が深刻になりかけていると察したディランさんは、体を水面からできるだけ離そうとサバイバルスキルを使用して、サンゴ礁に取り付けられていた3つのブイを切り離して結び、即席のいかだを作った。
4時間後、奇跡の発見に家族歓喜の声
ディランさんが必死に生き延びようとしている間、彼の家族もまた懸命の捜索活動を続けていた。
ディランさんの家族は、祖父のボートに乗って、太陽が沈む直前に彼が最後に目撃された場所に向かい、ディランさんの姿を探していた。
そして4時間後、家族は水面に浮かぶ大きなブイを見つけた。それは、ディランさんが結んだ3つのブイで、家族はボートの上から歓喜の声をあげた。
ディランさんのいとこのプリシラさんが撮影した映像は、後にTikTokでシェアされ大きな注目を集めた。
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母親タビサさんは、泣きながら息子の名を呼び、両親は船にあがったディランさんをしっかりと抱きしめた。
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後のメディア取材で、タビサさんはこのように話した。
元夫から電話がかかってきて、ディランがダイビングをしている途中で行方不明になったと知らされました。
その瞬間、ショックを受けた私は息ができなくなり、会話を続けることができませんでした。
干し草の山の中の中から小さな針を見つけるような状況で、広い海から息子を発見することができたのは本当に奇跡です。神様が私たちを救ってくれたのです。
海の近くで育ったディランさんは、小さい頃から海に親しみ、フリーダイビングとスピアフィッシングの経験が10年以上もあった。
それでも、沿岸警備隊のエリザベス・テイタムさんが「残念ながら、行方不明のダイバーのケースは、通常前向きな結果をもたらさないことがよくあります」と言うように、ディランさんが助かったことは、まさに奇跡といえるだろう。
九死に一生を得たディランさんだが、「ダイビングはこれからも続けていく」と話しているという。
References:Miraculous moment family spot son clinging on to raft while lost at sea/ written by Scarlet / edited by parumo
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