昨年秋に外国人旅行者に対して日本への入国制限が緩和されてからというもの、各国から日本滞在を楽しみにしてやってくる観光客が日に日に増えている。そんな中で九州を訪れていた台湾人観光客が、あるラーメン店に低評価のレビューを付け、台湾国内で物議を醸している。台湾の英字紙『Taiwan News』などが伝えた。テックインサイトでは、そのラーメン店の代表者に取材を行い、状況について話を聞いた。

多くの人が利用するGoogleマップには、ユーザーが訪れたレストランや観光地などに対してレビューを投稿できる機能が備わっているが、福岡県福岡市にあるラーメン店が今月中旬、台湾人観光客によって1つ星の低評価レビューを付けられてしまった。

このラーメン店はとんこつラーメンの老舗として知られる人気店だが、台湾からの観光客でユーザー名「小罐」さんが投稿したレビューは非常に厳しい物言いだった。小罐さんのコメントによると、彼らは男性3人女性3人で3歳の子供を連れて同ラーメン店を訪れたという。

当時は小雨が降っていたが、同ラーメン店は20歳未満は入店できない規則になっていたといい、女性3人が外で子供の世話をすることにした。その間に男性3人が店内で3杯のラーメンを注文し、半分ほど食べた後に外にいた女性3人が入れ替わって入店し、残り半分のラーメンを食べ始めた。

するとその様子を見ていた女性店員から「ラーメンのシェアは禁止!」と叱責されたという。彼らは呆気に取られてしまい、残りのラーメンを食べずにそのまま店を出て行ったそうだ。小罐さんは「日本と台湾の友好関係を愛する1人」と明かしているが、レビューには「あの2人の店員の顔はラーメンと同じで臭い」「本当に理不尽で頑固だ」と苦言を呈していた。

このレビューが投稿されると台湾国内で物議を醸し、「客がどう食べるかは客次第」「店のルールが変」といった同ラーメン店を非難するレビューを投稿する人がいた。その一方である台湾人は、同ラーメン店に5つ星を付けて「台湾人が毎日こんなに無礼を働いているわけじゃないんだけどね、本当に残念だよ」とのレビューを投稿している。

テックインサイトでは、このラーメン店の代表者に電話取材をして状況を聞いた。

受動喫煙対策として、2020年4月1日から全面施行された「健康増進法の一部を改正する法律」。この法令では、飲食店は原則屋内禁煙だが、経過措置として要件に当てはまる経営規模の小さい飲食店では店内での喫煙が可能と定められている。ただし20歳未満は従業員も含め、喫煙エリアへの立ち入りが禁止されるほか、その表示が義務付けられる。

これに伴って福岡市では、届出書を提出した該当飲食店が標識を入り口に掲示しているが、このラーメン店の入り口にも、喫煙可能と「健康増進法の一部を改正する法律」に則り20歳未満立ち入り禁止の表示ステッカーが貼られていた。さらに客側がラーメン1杯を大人2人でシェアすれば、店側の1杯分の売上は事実上半額程度になってしまう。「そこはやはりお客様のご理解をいただきたい」と代表者は語った。

また台北市で弁護士をしているリン・チュンジー氏(林智群)は「複数人で1杯をシェアするなら持ち帰りにすればいい。持ち帰って10人で1杯をシェアするなら誰にも迷惑はかけないで済む」と語っている。

さらに同氏は、このラーメン店は席数が限られているうえ、ラーメン1杯を2人でシェアされると2人分の売り上げが半減すると主張しており、「台湾だけでなく『他人に迷惑をかけないこと』というのはあらゆる国で当てはまる理論だ」とし、日本の飲食店を訪れた際にはその店のルールを確認するように促した。

画像は『HardwareZone 2023年1月24日付「6 Taiwanese sharing 3 bowls of Ramen in Japan Hakata」(東森新聞 CH51)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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