兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)の第139回定期公演となる2月のステージは、ドイツオーストリアの作曲家たち(ハイドンベートーヴェンシューベルト)の作品だ。

互いに重なり合う時代を生き、創造という名のバトンを受け継いできた3人の音楽は、古典派からロマン派に至る大河ドラマを見るような趣だ。ハンガリーの貴族エステルハージ家の伯爵からの提案によってハイドンが作曲したと伝えられる交響曲第6番『朝』に始まり、ベートーヴェン唯一の短調のピアノ協奏曲「第3番」。そして最後はシューベルトの大作、交響曲第9番『ザ・グレート』というプログラムは聴き応え十分。

PACと共に数々の名演を重ねてきたオランダ生まれの名匠ユベール・スダーンの指揮が冴え渡る瞬間に出会えそうだ。そして注目は、ベートーヴェンのソリストを務める児玉麻里(ピアノ)だ。大阪に生まれて6歳で渡欧した才媛は、今やベートーヴェンスペシャリストとして世界的に活躍する存在だ。

3人の偉大な作曲家たちに想いを馳せる素敵な時間を見逃すことなかれ。

兵庫芸術文化センター管弦楽団
139回定期演奏会
ベール・スダーン ザ・グレイト
2月17日(金)、18日(土)、19日(日) 15時開演
兵庫県立芸術文化センター

揮:ユベール・スダーン
ピアノ:児玉 麻里
管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団

https://hpac-orc.jp/concert/1695

●ユベール・スダーン(指揮)

オランダ・マーストリヒト生まれ。ブザンソン国際指揮者コンクール優勝、カラヤン国際指揮者コンクール第2位。これまでに、ベルリン・フィルロンドン響、バンベルク響、ウィーン響、ミュンヘン・フィルシュトゥットガルト放響、フランクフルト放響、ドレスデン・シュターツカペレ、ミラノ・スカラ管弦楽団等、主要なオーケストラを指揮しているほか、パリ・バスティーユ・オペラや、パルマ、パレルモ、ボローニャなどの歌劇場でも指揮している。
メルボルン交響楽団首席客演指揮者、ユトレヒト交響楽団音楽監督などを歴任。ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の首席指揮者を経て、2004年9月に東京交響楽団の音楽監督に就任した。オペラでは、2006年新国立劇場で指揮した「皇帝ティートの慈悲」が、年間ベスト・オペラ公演に選ばれている。
国際的な音楽祭においても、プラハの春音楽祭、ザルツブルクモーツァルト週間、ウィーン芸術週間、ラヴェンナ音楽祭など、数多くの音楽祭に参加している。
2004年7月、ザルツブルク市名誉市民およびザルツブルクゴールデン勲章を授与された。
兵庫芸術文化センター管弦楽団とは、定期演奏会やモーツァルト・シリーズで幾度も共演を重ねている。

●児玉麻里(ピアノ)

大阪生まれ。6歳で渡欧。14歳の時、最年少、最優秀でパリ国立高等音楽院に入学。ピアノをタチアナ・ニコラエワ、アルフレッド・ブレンデルなどに学ぶ。17歳でプルミエ・プリを獲得して卒業。同年、同音楽院のマスター・コースに進み、19歳で修了。この間、数多くのコンクール優勝、上位入賞を果たす。同音楽院を修了後、ロンドンニューヨークなど欧米の主要都市で次々とデビューを果たす。現在、ヨーロッパ、アメリカ、日本、アジアで演奏活動を展開する数少ない国際的なピアニストとして名声を確立している。また、ベルリン・フィルロンドンフィル、モントリオール管や、日本各地のオーケストラ等と共演。
CD録音も活発で、「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集」、ケント・ナガノ指揮による「ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集(第0~5番)」を完成させている。
また、サンフランシスコの室内楽フェスティバル「フォレストヒルミュージカルデイズ」とイタリアの「traluceesogno」の創設者でもある。

■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2208660

兵庫芸術文化センター管弦楽団 第139回定期演奏会 ユベール・スダーン ザ・グレイト