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車線維持から緊急停止まで 米国初のレベル3

米国ネバダ州は、メルセデス・ベンツのレベル3自動運転システム「ドライブパイロット」を、一定の走行条件下において公道で使用することを承認した。

【画像】メルセデス・ベンツ、米国初のレベル3車発売へ【ドライブパイロット搭載予定のEQSとSクラスを写真で見る】 全38枚

このシステムは、米国市場向けに生産される2024年モデルのメルセデス・ベンツSクラスおよびEQSに搭載され、2023年後半から納車が始まる予定である。メルセデス・ベンツは今回のネバダ州の承認を「新時代の幕開け」としている。

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「ドライブパイロット」は2024年モデルのSクラスとEQSに搭載される予定。

メルセデス・ベンツのドライブパイロットは、時速40マイル(約64km/h)までの速度で、車線の維持、車速の制御、前方車両との距離調整を行うことができる。また、交通標識道路標識を認識し、単独で回避操作を行うことも可能だ。

ネバダ州の自動運転車に関する法律「Chapter 482 A for Autonomous Vehicles」に準拠しているため、承認を得るに至った。米国でレベル3の自動運転システムの使用が正式に認められた自動車メーカーは、メルセデス・ベンツが初となる。

同社の技術責任者であるマルクスシェーファー氏は、次のように述べている。

現代社会において、時間は最も貴重なものの1つであり、お客様に時間を還元することは、世界で最も魅力的なクルマを作るという当社の戦略の中核要素です」

「ドライブパイロット・システムは、その実現に向けて大きな一歩を踏み出し、自動運転という極めて重要な分野において、メルセデス・ベンツをイノベーションの最前線に位置づけてくれます」

メルセデス・ベンツによると、同システム作動中はドライバーがハンドルから手を離し、車載ディスプレイでメールの整理やオンラインショッピングなどの「補助的なタスク」を行うことができるようになるという。

ドライブパイロットは、LiDARセンサー、カメラ、マイク、ウェットネスセンサーを使用し、3Dデジタルマップから道路形状や交通事象を読み取る。自動的に道路標識を読み取り、不測の事態には独自に対応し、回避行動やブレーキ操作を行う。また、緊急車両の回転灯を検知することも可能だ。

ドライバーに対して緊急の指示が出たり、アラームが鳴ったりした後でもドライバーが運転操作を行わない場合は、車両を停止させ、ハザードランプを点灯させて、ドアのロックを解除するという緊急処置がとられる。

2022年5月の正式導入に先立ち、2021年10月にドイツの連邦自動車庁(KBA)から、同国の全長1万3000kmのアウトバーンでの使用が承認された。


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