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アメリカでまもなく生後4か月を迎える結合双生児の分離手術が無事に成功し、地元に明るい話題をもたらしている。双子は胸部から腹部にかけて結合し肝臓を共有していたという。米メディア『New York Post』などが伝えている。

米テキサス州フォートワースにあるクック小児医療センターで現地時間23日、結合双生児の姉妹の分離手術が行われた。同医療センターの小児医療に関する最新ニュースを伝えるウェブサイト『Checkup Newsroom』によると、結合双生児は20万組の出生に対して1組の割合で発生するそうだ。また結合双生児は臓器を共有するケースが多いため、子宮内で死亡してしまうか誕生後に長く生きられないことがほとんどだという。

フォートワース北部郊外のサギナウに暮らすジェイムズ・フィンリーさん(James Finley)と妻アマンダ・アルシニエガさん(Amanda Arciniega)との間に誕生した双子の姉妹も結合双生児だった。

姉妹は昨年10月3日、フォートワースのテキサス・ヘルス・ハリス・メソジスト病院で、胸部から腹部にかけて結合し肝臓を共有した状態で帝王切開によって生まれ、それぞれにジェイミーリン(JamieLynn)とエイミーリン(AmieLynn)と名前が付けられた。その後、姉妹はすぐに新生児集中治療管理室へと移された。同病院ではアマンダさんの妊娠後、お腹の胎児が結合していることに気づき、姉妹が誕生する5か月前から分離手術についてクック小児医療センターの医師たちと話し合いを重ねていたという。

誕生から1か月後、姉妹はクック小児医療センターの新生児集中治療管理室に転院した。同医療センターでは、結合双生児の分離手術が初めての試みだったこともあり、人形を使って手術のシミュレーションを行うなど手術に備えるための準備に9か月近くも費やした。そして23日に行われた手術は、ジェイミーリンちゃんとエイミーリンちゃんそれぞれに医療チームを配し、姉妹が共有していた肝臓を分離するなど手術は11時間にも及んだ。

手術は無事に成功し、医師は手術室の外で待っている両親に「2人の赤ちゃんはそれぞれのベッドで眠っていますよ」と姉妹が無事に分離されたことを伝えた。その瞬間、ジェイムズさんとアマンダさんは涙を流しながら抱き合って喜びを分かち合った。同医療センターのメディカルディレクターで、今回の手術チームを率いた小児外科医のホセ・L・イグレシアス医師(Jose L. Iglesias)は、手術後の姉妹についてこのように述べている。

「双子は回復するまでに少し時間がかかると思いますが、最終的に完全とまでには行かないにしても、ほぼ正常に近い状態になると思われます。」

姉妹は退院するまでの間、同医療センターの新生児集中治療管理室でしばらくの間ケアを受けるが、イグレシアス医師は「双子が回復して将来健康的な生活が送れることを心から願っています」と語っている。

画像は『New York Post 2023年1月27日付「Infant conjoined twins successfully separated in ‘historic surgery’ at Texas hospital」(Cook Children’s Checkup Newsroom)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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