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 1日、野球界の正月ともいえるキャンプインを各球団迎えた。目指す優勝に向け、どんなキャンプを送っていくのか、昨年4位と5年ぶりのBクラスに沈んだ巨人にも注目が高まっている。

 前日にはミーティングで「1年生もベテランも横一線からの戦いです。ファンの皆さんや先輩たちを喜ばせ、歴史に名を刻むことができるか。皆で日本一を奪回するということを誓い合いたい」と指揮官が熱い思いを訴えた。

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 2007年以来となる「奪回」をチームスローガンに掲げ、3季ぶりの優勝を目指すことになる。岡本和真新キャプテンの下、新外国人選手、ベテランの松田長野も加わり、新たな布陣となった巨人がどんな戦いを見せるのか、球界内からも様々な考察の声が出ている。

 「スポーツ報知」の公式ユーチューブチャンネル「報知プロ野球チャンネル」で1日に更新されたのは「プロの目 セ界一早い?順位予想!」として阪神OBの掛布雅之氏と巨人前監督の高橋由伸氏が今季のセ・リーグ球団の順位予想を行った。

 冒頭ではキャンプも始まっていない時期に予想するとあって、両者ともに「報知さん、無理難題いうよね」「キャンプもまだ見てないのに・・・」と困惑する場面も。あくまでオフの補強状況まで見てと前置きした上で掛布氏は優勝を「阪神」と予想、巨人は4位とBクラスに予想した。掛布氏の予想順位は以下の通り。

 1位・阪神
 2位・DeNA
 3位・ヤクルト
 4位・巨人
 5位・広島
 6位・中日

 まず「1番怖いのはここなの」とDeNAが台風の目になると予想。その理由として、昨年は強打者オースティンを欠く中、終盤追い上げて2位に入ったことを評価。投手陣もそろってきているとした上で、両者ともに今季のペナントの鍵を握るのはDeNAの存在だとした。

 一方で巨人4位の理由としては「投手陣の計算が立たない」ことを理由にあげた。昨年チーム防御率リーグワーストの3・69に沈んだ。新外国人投手も補強したが、日本球界での実力は未知数。またシーズン前とあって「野手がどれだけ打つかうんぬんというのは(予想)できないでしょう」と現時点で勝ち星の指標としては、投手陣が充実している阪神に軍配が上がるとした。

 一方、巨人OBの高橋氏は「OBとしての希望が入りますよ」としながら順位予想を示した。

 1位・巨人
 2位・阪神
 3位・DeNA
4位・ヤクルト
 5位・広島
 6位・中日

 その上で、高橋氏も「下手したら(巨人のBクラスも)あるんですよ」と危惧する。理由としては掛布氏と同じく「ピッチャーの計算がまだ立たないので。そこは少し怖い」と話した。

 昨年チームは開幕直後に若手の赤星、堀田、山崎伊など多くがプロ初勝利を飾った。ただシーズン通しての活躍という面では息切れしたとあって、これらの若手投手陣がどこまで伸びしろを示せるかが一つの鍵となりそうだ。

 昨年安定した働きを見せた守護神の大勢にしても「1年の疲れがどう出るか」(高橋氏)、さらに3月にはWBC出場も控えるとあって、体への負担も心配されている。

 さらに掛布氏が巨人の不安材料としてあげたのは、坂本の状態だ。昨年は3度の故障離脱などコンディション不良が目立った坂本が今年巻返せなければ、チーム構想が一気に揺らぐこともありうるとした。

 その意見には高橋氏も同調。「ショートが日々、色々な人が出るような状況になると、ちょっとまた戦い方は苦しくなるのかなと思いますね」

 あくまでV奪回の条件は坂本が先発としてショートで出続けることを求めた。

 ただ今季については「混戦になると思う」と両者、意見が一致。3月にはWBCも控えることで野球人気の一層の盛り上がりも期待できる。果たして2023シーズンの覇者はどの球団となるのか。キャンプオープン戦の内容にも注目したい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

原巨人 「奪回」キャンプ始まるも「やはり今年もBクラス」と有力OBから危惧される理由