瀬戸利樹と中田圭祐がW主演を務める「僕らのミクロな終末」(夜0:55-1:30、ABCテレビ)の第1話1月29日に放送された。真澄(瀬戸利樹)が律(中田圭祐)に恋する様子が描かれ、繊細なピアノの旋律もあいまって恋の高揚感に胸がときめいた。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】ドキッ!手が触れ合って見つめ合う瀬戸利樹“真澄”と中田圭祐“律”

■「僕らのミクロな終末」とは

同作は、実写ドラマがヒットした「ポルノグラファー」で知られる丸木戸マキによる同名コミックを原作に、地球滅亡寸前というSFなシチュエーションで異色の終末を描く恋愛ヒューマンドラマ。傷を抱えた不器用な登場人物たちの心情が交差する恋愛模様と同時に、絶望の中で奇跡を信じたくなるようなストーリーを展開していく。

主人公・仁科真澄役を瀬戸が、真澄の大学時代の“昔の男”・日下部律役を中田が、アイドルオタクピュア男子高校生・広瀬遊馬役を富本惣昭が、国民的アイドル・嘉神まどかとその”自称妹”・めぐる役の一人二役を井手上漠が演じている。

また、真澄と律が大学時代所属していた出版サークルの同級生・橋本陽介役に大朏岳優、サークルの部長・露口役に前田瑞貴、律に夢中なミスキャンパス・谷口美佐役に西村美柚と、フレッシュな面々が共演。さらに、真澄の母親役に遊井亮子、律の母親役に岡谷瞳、律の父親役に成松修、めぐるの母親役に舟木幸、めぐるの父親役に飯田基祐が配役されている。

主題歌は、水野良樹が主宰するプロジェクト“HIROBA”から「ふたたび(with 大塚 愛)」。作詞作曲は初のタッグとなる水野&大塚愛が共作、編曲は蔦谷好位置が手掛け、真澄と律のもどかしく、苦しくも愛おしい関係性に重なる楽曲の世界観が、同作のストーリーに寄り添う。

■平凡なサラリーマンの真澄は地球滅亡まで10日と知る

2023年9月15日。巨大隕石が地球に落下することが判明し、地球滅亡まであと10日しかないことを伝えるニュースが流れる。生きがいのない日々を送っていたサラリーマンの真澄(瀬戸)は人生を虚しく感じ、1日目はゲームをして無為に過ごした。

翌日、真澄は残された時間を静かに過ごそうと母校の大学図書館を訪れる。そこで一番会いたくなかった“昔の男”に再会するのだった。

■真澄は律に出会ってひと目で恋に落ちる

図書館で人とぶつかって落とした本を拾おうとした真澄の手と、ぶつかった男の手が触れ合い、顔を見上げるとそれはかつて自分を深く傷つけた律(中田)だった。律も真澄に気づき、「変わんねぇな、何年ぶり?」と平然と声をかけてくるが、真澄は動揺して律に背を向ける。

2011年、真澄は大学生でミニコミ誌を制作する地味な出版サークル“辺境倶楽部”に所属していた。秋の新歓シーズン、華やかなサークルのそばでひっそりと勧誘のテーブルにつく“辺境倶楽部”の会員たち。コンビニに行く先輩たちに留守を任され、真澄はひとりで店番をすることに。

勧誘の喧騒のなか真澄は居眠りをしていると、「すみません」と声をかけられる。寝ぼけながら目を開けた真澄の前に爽やかでモテそうなイケメン・律が立っていた。真澄は吸い込まれるように律に見惚れる。

律はミニコミ誌を手に取り、新刊と前号をくださいという。買う人がいること自体に驚く真澄に律は“ヘンクラ”が好きだといい、前号の記事が面白かったと語る。それは真澄がてがけた記事で、謙遜しながらも喜びを隠せない真澄。そして、意を決して律を“辺境倶楽部”の入会に誘った。

真澄が一瞬にして恋に落ちる様子に見ているほうも胸がときめく。自分のことを認めてもらったうれしさとともに恋の高揚感が高まっていく気持ちが伝わってきてキュンキュンとさせられた。「ポルノグラファー」から続投する小山絵里奈の音楽も効果的で、繊細なピアノの旋律も胸に響いた。

◆構成・文=牧島史佳

「僕らのミクロな終末」第1話より/(C)丸木戸マキ/祥伝社 ABC