現地時間1月30日の朝、米テキサス州ダラスにある「ダラス動物園」でサルの一種であるエンペラータマリンの2匹が行方不明になっていることが分かった。同園では今年に入ってから、ネコ科のウンピョウの脱走、大型猛禽類のミミヒダハゲワシの不審死といった不可解な事件が相次いでおり、ダラス警察は現在、これらとの関連性も含めて慎重に捜査を進めている。

先月13日午前10時ごろ、ダラス動物園は公式のSNSで「深刻な事態が発生したため、本日は閉園となります」と発表した。

その日の朝、メスのウンピョウ“ノヴァNova、4)”が行方不明になっていることに飼育チームが気付き、警察と協力して発見と捕獲に取り組むために閉園することになったと、同園は理由を述べた。

『CBS DFW』、『WFAA』など地元のメディアはこれを一斉に報じ、SNSには「ノヴァが早く見つかりますように」と、速やかな保護を願うコメントが多く寄せられた。また「グランド・セントラル駅を探してみた?」と映画『マダガスカル』の画像を付けてコメントする者や、「俺、この人知ってるけど」とコメントして、ジム・キャリーがペット探偵の名刺を手に掲げている、映画『エース・ベンチュラ』のポスター画像を投稿する者などもいた。

このウンピョウは数時間に及ぶ捜索の後、同日午後5時ごろに園内の木の枝に寝そべっているところを無事に確保された。メディアが報じる嬉しい知らせに人々はホッとし、翌土曜日には、このお騒がせなノヴァを一目見ようという大勢の客でダラス動物園は賑わった。

ところが、事件はこれで一件落着とはならなかった。

警察と動物園は記者会見で、ウンピョウ舎のフェンスの前部に“不自然に開けられた穴”が見つかったことを公表した。切断に道具が使用されていることも明らかになった。さらに、同じような穴がオナガザルの仲間のラングールのフェンスでも見つかったという。幸いにも、ラングールは1匹も逃げておらず、危害を受けたり危険にも晒されていないようだが、警察は何者かが故意に介入したものと見ている。

その後も、21日にはオスのミミヒダハゲワシ“ピン(Pin、35)”がフェンスの中で死んでいるのが発見された。ウンピョウの脱走事件から1週間後のことだ。死因に関する詳しい情報は発表されていないが、園長のグレッグハドソン氏(Gregg Hudson)は、自然死には見えないと報道記者に述べている。また、ピンには不審な傷が見つかり、ダラス警察は現在その原因を調査中であるほか、ミミヒダハゲワシが絶滅危惧種であることから、事件は連邦政府の組織も捜査に参加するほど深刻な様相を呈してきた。

そして今度は、2匹のエンペラータマリンが失踪した。

園の声明によると、エンペラータマリンは巣からあまり離れない性質だが、失踪した2匹を巣の近くで見つけることはできなかったという。さらにはこの2匹が“連れ去られたと考えられる根拠”を警察が掴んでいることも明かされた。

現地時間31日午前の時点で、エンペラータマリンはまだ発見されていない。

ダラス動物園でいったい何が起こっているのか。わずか半月のあいだに相次いで起きた奇妙で不可解な3つの事件について、SNSにはさまざまな声が寄せられている。

「カメラはどこ? 警備員は? どうしてこんなことが何度も起こるの?」
「前回の事件からカメラと夜間警備員を増やしたんじゃなかったのか? 動物園は動物たちの安全に責任があるんだ。閉鎖して解決すべきだよ。」
動物園に不満を抱えている従業員が仕返しでやっているんだと思うわ。ほかの罪のない動物を失う前に、捕まえて手錠をかけて!」
「最近、ルイジアナ州の動物園でも、真夜中に12匹のリスザルが盗まれたよね?」
「こんな狂った話ってある? ダラス動物園がこんな目に遭っているなんて残念。早く犯人が捕まりますように。」

画像は『Dallas Zoo 2023年1月31日付Twitter「On Monday morning (January 30), 」、2023年1月25日付Twitter「We’re so grateful for the support we’ve received as we comprehend the unexpected loss of our 35-year-old lappet-faced vulture,」、2023年1月14日付Twitter「We are thrilled to report we located clouded leopard Nova on-grounds at the Zoo this afternoon at approximated 4:40 p.m.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 秋本神奈)

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