ドナルド・グローヴァーが、惜しまれつつも最終回を迎えたFXシリーズ『アトランタ』に続くテレビ・プロジェクトとして、『Swarm』と題された新たなシリーズをスタートさせることが分かった。

 米ヴァニティ・フェア(VF)によると、この新番組は、ビヨンセに似ていると言われる架空のポップ・スターに夢中になっているドレー(ドミニク・フィッシュバック)という若い女性を描いている。

 自身の分身であるチャイルディッシュ・ガンビーノを通じて、ファンとアーティストとのパラソーシャルな関係を目の当たりにしてきたグローヴァーは、『アトランタ』の脚本家でプロデューサーのジャニーン・ネイバースと共にこのAmazon Prime Videoシリーズに取り組む。ネイバースは『Swarm』のショーランナー(制作総指揮)も務めている。

 ネイバースはVFとのインタビューで、「私たちはアンチヒーローの物語を作ることにとても興味がありました」と述べ、“現代の黒人女性というレンズを通して”この典型を再び描くインスピレーションとして『マッドメン』のドン・ドレイパーや『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』のトニー・ソプラノを挙げた。『Swarm』はドレーのファン心理をより深く掘り下げ、ダークな方向へと進んでいく。

 クロイ・ベイリーがドレーの妹マリッサを演じ、ダムソン・イドリスがドレーのボーイフレンドを演じる。ネイバーズはクロイについて、「素晴らしい人物で、姉妹愛という人間性を引き出すことができます」と語り、彼女の音楽業界への理解と、実妹で歌手・女優のハリー・ベイリーとの関係を評価した。クロイは、【グラミー賞】にノミネートされたR&B姉妹デュオ、クロイ&ハリーのメンバーで、自身のソロ活動にも着手しており、3月にデビュー・プロジェクトがリリース予定となっている。

 グローヴァーは、「多くの人が親切心からやってくれて、本当に素晴らしい仕事をしてくれました。ドム(ドミニク)、ダムソン、クロイ。彼らがどれだけ一生懸命に(作品の)トーンに取り組んでくれたか、本当に圧倒されました。奇妙なものですからね」と述べている。

 バラク・オバマ元米大統領の長女マリア・オバマも『Swarm』の脚本家として参加しており、グローヴァーは昨年春、別のVFインタビューで、彼女を“驚くほど才能のある人”、“仕事に関しては本当に集中している”と評していた。

ドナルド・グローヴァー、ビヨンセにインスパイアされた新TVシリーズ『Swarm』でファン心理を描く