こたつ

”最強寒波”が過ぎ去った後も、各地で肌寒い日が続く。こうした日に、こたつに入ると幸せを感じるもの。つい、居心地の良いこたつで朝まで寝てしまった経験がある人も多いはず。

かねてから「こたつで寝ると風邪をひく」と言われるが、その真相は…。

【関連】「コーラを飲むと骨・歯が溶ける」説を検証 ”意外な真相”が判明した…


■ついうたた寝してしまいがち

寒い外から帰ってきて、こたつに入った時の喜びはもはや説明不要であろう。快適すぎるあまり、こたつでテレビを見たり、スマホをいじりながらうたた寝してしまうことも…。

気付いたら朝になっていて、家族に「そんなところで寝てたら風邪ひくよ」と叱られる──。幼少期にこうした経験をした人も少なくないのでは。一見、こたつの中は快適で身体を壊すイメージはないが…。


関連記事:「レディースソックス」この冬の3選 フローリングでも暖かな1足

■医師に聞いてみると…

中澤佑介院長

古くから言い伝えられるこの説を検証するため、なかざわ腎泌尿器科クリニックの中澤佑介院長に話を聞いた。こたつで寝ることで風邪をひくことはあるのだろうか。

「理論的には大いに可能性があると考えられますが、医学的なエビデンスはありません。こたつで寝た場合と寝具で寝た場合を比較するような研究データがなく、医学的には裏付けのない俗説だと思います」(中澤院長)。

論文や研究等で実証されているわけではないということだ。


■こたつの温度に関係?

医学的に根拠がないからといって、安心できない。やはり理論上は、こたつで寝ると風邪をひきやすくなる恐れがあるからだ。中澤院長が解説する。

「一般的に、こたつの中は40度をキープしており、こたつで寝ると体温も上がっていきます。身体は体温を下げるため汗をかいて調整し、寝ている間に必要以上に汗をかきます。汗をかくと体内の水分量が減ってしまい、喉や鼻の粘膜が乾燥し、免疫機能が低下する。それらの粘膜に風邪のウイルスや菌が付着すると、風邪やインフルエンザにかかりやすくなると考えられます」(前出・中澤院長)。

振り返ると、記者もこたつでうたた寝した翌朝、冬なのにものすごい汗をかいていた。朝起きたら喉が痛く、数日後に風邪をひいたこともあった。見事にこの流れに乗ってしまっている…。


■こたつで寝てしまう人への対策

こたつは眠くなる場所ではあるものの、寝るところではないことを今一度覚えておきたい。前出の中澤院長もその点を強調しつつ、「こたつで寝るのが習慣になってしまっている方は、一定時間アラームをセットするなど、長時間寝るのを防ぐような対策を心掛ける必要があると思います」と、注意を呼びかける。

まだまだ寒い日が続くのでこたつは手放せない。居心地のいい場所でそのまま寝たい気持ちは分かるが、きちんと布団で休むようにしよう。

・合わせて読みたい→「のど飴」3選 乾燥する季節に常備しておきたいおすすめを紹介

(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人 取材協力/なかざわ腎泌尿器科クリニック・中澤佑介院長)

「こたつで寝ると風邪をひく」説を検証した結果… 意外すぎる事実に耳を疑う