関東の人間が関西を訪れた際に感じるギャップの1つに「笑いの質」が挙げられるだろう。個人的には関東と比べ、関西は生活の中に「ボケとツッコミ」が強く根付いている印象を受ける。

現在ツイッター上では、関西のとある旅館で発見された「照明」が話題を呼び、全国各地からツッコミの声が寄せられているのをご存知だろうか…。

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■旅先の廊下で「三度見」したワケは…

今回注目したいのは、愛知県に本社を構える旅行会社「名鉄観光サービス株式会社」が投稿した1件のツイート

こちらの投稿には「先日行った旅館…最高に…いかした…照明だっ…た…三度見した」と息も絶え絶えな1文が綴られており、果たして「中の人」の身に何が起こったのか、思わず心配になってしまう。

兵庫県香美町香住区

しかし、ツイートに添えられた写真の光景を見ると、即座に納得。そこには根本から光を発する「巨大なカニの爪」が確認できたのだ…。


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■「まるでクラブの照明」と大喜利状態に

通常のカニの数十倍はあろうかというサイズ感に驚きだが、やはり特筆すべきは「照明である」という点だろう。

こちらの尋常ならざるセンスのデザインは多くの人々に衝撃を与えており、件のツイートは投稿から1日足らずで3万件以上ものRTを記録するほど大きな話題に。

なお、他のツイッターユーザーからは「イカしたというか、カニした照明?」「たしカニ、これは三度見する」「まるでクラブの照明みたいですね!」などなどカニに関連した粋なリプライが多数寄せられており、完全に大喜利状態へ突入していた。

兵庫県香美町香住区

話題のツイートを投稿した名鉄観光サービスに話を聞くと、こちらのイカした…いや、カニした照明は兵庫県北部の「香美町香住区」の旅館「丸世井」(まるせい)にて遭遇したものと判明。

担当者は当時の様子について「本当に漫画のワンシーンかのように、見つけたときは二度三度見をしてしまいました。玄関近くの入り口に設置されておりますので、館内を移動する度に目に入ることから、最終的には10回ほどはついつい見ておりました」と振り返っており、完全にノリノリである

続いて同区の観光協会に取材を敢行すると、なんとも意外な事実が明らかになったのだ…。


■照明誕生の経緯が面白すぎる

香美町香住観光協会」に確認したところ、前出の照明は2010年ごろに製作されたものと明らかに。

同協会の担当者は誕生の経緯について「当時、別件で3メートルのカニの姿で、照明を入れたオブジェの依頼を受けて製作したようです。その際『香住の宿に、この照明を販売したらいいのでは?』と提案があったのですが、3メートルの大きさだと設置する箇所が限られてしまうため、元の型からカニ爪だけ切り取り、照明を入れて販売したのが始まりのようです」と、説明してくれたのだ。

兵庫県香美町香住区

そもそもなぜ、巨大なカニのオブジェを? と疑問に感じた人もいるかと思うが、香美町の柴山港で水揚げされる「松葉ガニ」は日本一厳しい選別基準があるともいわれており、同エリアはまさにカニ好きにとっての「聖地」といえる存在。シーズンには美味しいカニを食べようと、全国から多くの観光客が訪れるのだ。

兵庫県香美町香住区

もちろん同エリアの魅力はそれだけでなく、歴史を感じさせる建造物や美しい海岸線など、観光ポイントには事欠かない。ゆっくりとした休日を過ごすもよし、アクティブに名所を回ってもよしな、最高の観光地といえる。


■観光協会、それにしてもノリノリである

1件のユニークなツイートが思いもよらぬバズりを見せ、大勢の人々が観光地の文化に関心を持った…という今回のエピソードは、まさにツイッターならではのマジックだ。

大いに話題となった件について、香美町香住観光協会は「カニ爪照明で興味を持って頂き、ありがとうございます。香美町香住区は、兵庫県北部に位置する『カニのまち』です。自然豊かで日本海に面する香住区は、全国屈指のカニの水揚げ量を誇ります」と、現地の魅力をアピール。

さらに「香住区で水揚げされる『松葉ガニ』は3月末まで、『香住ガニ』は5月末まで味わえますので、ぜひカニの本場・香住へお越し頂き、本物のカニ爪をご賞味くださいませ」と、耳寄りな情報をアナウンスしてくれたのだ。

兵庫県香美町香住区

旅行先を検討している人はぜひ、豊かな自然と海の幸、そして「個性の強すぎる照明」が揃って出迎えてくれる、兵庫県香美町香住区を候補地に加えてみてはいかがだろう。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

旅先の宿で遭遇したこの照明、クセが強すぎる… 発見者は「三度見しました」