春日部駅の東口駅舎が閉鎖され、新駅舎の使用が始まります。駅周辺の高架化工事のためですが、そのきっかけとなったのは付近の開かずの踏切でした。一体どれほど開かないのでしょうか。

2023年2月4日から東口が変わる理由とは?

アニメ『クレヨンしんちゃん』の舞台であり、ベッドタウンとして知られる埼玉県春日部。その街の玄関口である春日部駅が、変化のときを迎えています。高架化工事にともない三角屋根が特徴の東口が閉鎖され、2023年2月4日に新駅舎の使用が始まります。

高架化の目的は周辺の“開かずの踏切”を解消するためです。駅付近には4か所の開かずの踏切を含む10の踏切があり、多くの歩行者、自動車の交通の妨げになっていました。

なぜ、開かずの踏切が多いのか。それは同駅が東武伊勢崎線東武スカイツリーライン)と野田線東武アーバンパークライン)が接続するジャンクション駅であることが影響しています。

通常の電車以外にも、「スペーシア」「りょうもう」「リバティ」といった特急車両が、とにかくひっきりなしでやってきます。その影響をもろに受け、特に開かないと有名なのが、駅前の伊勢崎線第124号踏切です。

あ、開かない…

伊勢崎線第124号踏切は埼玉県の調査によると、ピーク時1時間当たり53分遮断するとされています。SNSなどでは、お年寄りがある程度待つと諦めて慣れた様子で別の踏切にいく姿や、ダッシュして間に合わず線路に取り残され、遮断機をあげて脱出する人などもよく見かけるという声があります。

実際に現地に行ってみると、確かに電車がひっきりなしにきており、一度遮断機が閉まるとラッシュ時でなくとも、3~5分くらいはまず開きません。開いたとしても、数十秒後にはまた鳴りだし遮断機が落ちてくるという状態で、実際に少し離れところから、遮断機があがったので渡ろうとダッシュしましたが、間に合いませんでした。

踏切からは、駅を発車する電車がゆっくり動く姿が確認できるので、他の電車が来る前に早く動いてくれと祈るばかりです。大抵の場合、その願いはかなわず別の電車が来てしまい、遮断機は上がらないままとなります。

なお、2月4日に閉鎖される春日部駅東口には、勤務する職員が感謝の気持ちを込めた作成した「卒業証書」が駅構内に張ってあり、「卒業証書 春日部駅東口駅舎殿 あなたは春日部駅東口としての全業務を終了する事を証します 令和五年二月三日 東武鉄道株式会社 春日部駅管区職員一同」と書かれてありました。

同駅周辺の高架化事業がまだ始まったばかりで、2031年まで続く長い工事となります。

開かずの踏切と有名な伊勢崎線第124号踏切(斎藤雅道撮影)