熊本空港の現在の最寄り駅で、それを全面にアピールしているのが、「阿蘇くまもと空港駅」の愛称をもつ肥後大津駅です。ただ一方で、最寄りとするには距離的にギャップのある駅でもあります。どのようなところなのでしょうか。

最短ルートで6.7km

2023年現在、熊本空港阿蘇くまもと空港)の”最寄り駅”となっているのが、JR豊肥本線の肥後大津駅です。同駅は2017年に「阿蘇くまもと空港駅」の愛称が与えられていますが、その一方で最寄りとするにはギャップのある駅でもあります。

地図アプリによると、駅から空港まで最短ルートで向かった場合、その距離は6.7km。徒歩では約1時間30分を要する距離となっており、現実的に歩いて駅と空港を往来することは難しい状況です。とはいえ、空港利用者向けのアクセスは確保されています。空港と駅のあいだには、無料のジャンボタクシー(空港ライナー)がおおむね30分に1本のペースで運行。乗車時間は15分程度です。

現在の肥後大津駅は、駅舎入口をはじめ、駅の周りの至るところに「阿蘇くまもと空港駅」の文字が掲げられ、空港駅としてアピールしたい同駅の狙いをうかがうことができます。駅の南口には、同駅が所在する大津町のビジターセンターも隣接されています。

現在、熊本県では熊本空港への鉄道新路線を整備する構想「熊本空港アクセス鉄道」の計画が進められています。2034年度の開業が目指されていて、この肥後大津駅でJR豊肥本線から分岐し、熊本空港の新駅へつなぐという案も有力視されています。

なお、熊本空港熊本市街とのアクセスは、空港ライナーと鉄道を使う方法のほか、バスで直通もできます。肥後大津駅から熊本駅まで鉄道を用いた場合、所要時間は標準で34分、片道運賃480円。対して熊本空港から熊本駅までバスを使った場合、所要時間は1時間で片道運賃960円となっています。

肥後大津駅(乗りものニュース編集部撮影)。