トム・ハンクスが主演を務めるマーク・フォースター監督最新作『オットーという男』より、トム演じる“町一番の嫌われ者”オットーの嫌われぶりが垣間見える本編映像が解禁された。

【動画】トム・ハンクス「オットーは自分のやり方にこだわって生きてきました」 オットーの日常が垣間見える『オットーという男』本編映像

 本作は、2度のアカデミー賞に輝く名優トム・ハンクスが、パブリックイメージとは真逆の嫌われ者を演じる感動作。孤独を抱える主人公が、自身とは正反対な性格の家族と接するうちに、再び生きる希望を見つけていく姿をユーモアと涙を絡めて描く。

 原作は、スウェーデン発の世界的ベストセラー小説「幸せなひとりぼっち」。同タイトルで映画化され、2017年のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた。この作品に魅せられたトムは、主演のほかプロデューサーも務めている。監督は、『プーと大人になった僕』のマーク・フォースター。

 オットーアンダーソン(トム)は、町内イチの嫌われ者でいつもご機嫌斜め。曲がったことが大嫌いで、近所を毎日パトロール、ルールを守らない人には説教三昧、あいさつをされても仏頂面、野良猫には八つ当たり…と、なんとも面倒で近寄りがたい人物だ。そんな彼が人知れず抱えていた孤独。最愛の妻に先立たれ、仕事もなくした彼は、自らの人生にピリオドを打とうとする。

 しかし、向かいの家に越してきた家族に邪魔され、死にたくても死ねない。それも一度じゃなく二度、三度も。世間知らずだが陽気で人懐っこく、お節介なメキシコ出身の奥さんマリソルは、オットーとは真逆な性格。小さい娘たちの子守や苦手な運転をオットーに平気で頼んでくる。この迷惑一家の出現により“自ら人生をあきらめようとしていた男”の人生は一変していく―。

 主人公オットーにとって、物事のやり方はたった一つ、“正しくやること”。駐車にしても(=無許可駐車禁止)、リサイクルにしても(=缶は缶用、ガラスはガラス用の回収箱へ分別)、自転車の置き場所にしても(=自転車ラックへ ※そのためにラックはある)、運転にしても(=マニュアル車)など、日常の雑事や活動のすべてに彼のやり方がある。それ以外のやり方をする人間は、みんな「バカ」だと思っている。

 今回解禁されたのは、そんな自身の流儀をふりかざすオットーの嫌われぶりが垣間見える本編映像。

 犬を散歩させている近所の住人に、怖い顔で「そのチビ犬、うちの前にまた小便した」とクレーム。クレームをつけられた住人は、オットーのことは無視するようにと犬に告げる。するとオットーはすかさず「それじゃあ、君か?」と文句をつけて、さらに怒鳴り散らす。いつもの小言にうんざりした様子で立ち去る住人。オットーイライラしながらガレージに向かうと、入口には毛がボサボサな野良猫が。「おい何してる、あっちに行け」と八つ当たりするが、猫はまったく動じず、オットーをじっと見つめるだけだった…。

 主人公オットーの極端に規則やルールにこだわる性格について、トムは「オットーは自分のやり方にこだわって生きてきました。生まれた4時間後から今までずっと! 彼の世界は二元論の世界なんです。たった一つの方法、つまり規則に従うことで世の中は機能している、とオットーは思っているんです。誰だって規則を読むことができるし、誰だって規則に従うことができるはずだっていうわけです」と解説している。

 映画『オットーという男』は、3月10日より全国公開。

映画『オットーという男』場面写真