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勝って偶然、負けて当然という言葉がある。これ、たしか元々は将棋に当てはめられた格言だが、ギャンブルにも当てはまる部分が多いと常々思う。

先日パチスロをしたところ、高設定確定演出が出た。後は普通に打っていれば勝てる可能性が高かったんだけど、運がなかったのでしっかりと1万4000円も負けてしまった。

「そもそもギャンブルなので、負けるのが当然」そう考えながら店を出たんだけど、寝る前に布団の中でその日の出来事を振り返るうちに「やっぱり腹立つな」という結論に至り、凄くイライラした。「負けるにしても今日じゃねえだろ」と思ってしまって。まあ、そんな感じで、今回もギャンブルのお話です。(文:松本ミゾレ)

28万円の勝ちを「臨時収入」と認識する人の賢さ

先日、5ちゃんねるに「スロットで28万の臨時収入が入ったんだけど」というスレッドが立っていた。スレ主は「なんかこれ買っとけってのある?」と質問しており、28万円の勝ちを物質に変換し、自分の生活のクオリティを高めようと考えている様子だ。

これってとても大事なことで、この人は「ギャンブルでの勝利で得られるお金というのはしょせんあぶく銭である」と理解しているという証左である。

あぶく銭は身につかないお金なので、さっさと何かを買っておくのが一番良い。スレ主の場合は、2か月かけてコツコツとパチスロで勝ちを拾って28万ゲットしたとスレッドにおいて説明しているが、その蓄積をドドンと買い物で私生活に反映させようというその意識が素晴らしい。

やっぱり、大きく勝った後は何か大きな買い物をするのが一番なのだ。それに対してスレッドでは「ダイキンのエアコンを買いなさい」や「PS5」、「食洗器おすすめよ」などの意見が挙がっている。

28万あればエアコンを新調だってできるし、家電やゲームを買うことだってできる。なんだってできる!実に素晴らしい臨時収入だし、「何に使おうかな」と考えている瞬間って最高だよね。

ギャンブルでの勝ちを「稼いだ」と考える人は依存症になりがち

さて。ギャンブルで勝ちを拾うというのは、やっぱり大抵の人にとっては偶然手にするラッキーであって、こういうことはそうそう長く続くものではないと理解するところ。だけど、ギャンブル依存症の人たちはそう考えないものだ。

よく彼らは「期待値」というワードを多用しがちなんだけど、この期待値とは、パチスロの設定狙い、ゾーン狙いなどを考慮して立ち回ることで積み上げることができる理論上勝ちやすい数値と考えていただけると分かりやすい。

実際に設定の良い台を長時間打てば僕みたいによほど運がない男以外ならそれなりにプラスになるものだし、天井間近の台を拾ってしまえばすぐに当たりを手にすることは出来る。

スロプロはこの期待値についての知識に長けているので、こういうことを日々繰り返して勝つうちに、どうしても日々の勝ちについて「稼いだ」と考えるようになっていくわけだ。

そしてこれは俯瞰で見れば毎日パチスロの期待値だけを追って人生の期待値をおざなりにした、立派なギャンブル依存症の習性丸出しなのだけれど、まあとにかく当人たちはそれは気にしない。

世間的にはパチンコ・パチスロにハマッてる僕みたいなのをひっくるめて、勝ってようと負けてようとみんなギャンブル依存症と認識しているというのが現実。

でも、勝ってる人はそこをなかなか認めたがらないんだよなぁ。

一方でスレ主のように、ギャンブルの勝ちを臨時収入。もしくは儲けと表現する人って稀にいる。こういう人はギャンブルでの勝ちを「当然の積み重ね」でなくあくまでも「運が良くて儲かった」と考えてるので、割とすぐに欲しいものに変換する傾向があって、せっかくの勝ち金を全部パチンコホールにお返しするようなことは意外としなかったりする。ギャンブルもやるけども、そこまでのめり込みにくい人種という感じだ。

繰り返しになるが、ギャンブルでの勝ちを「稼いだ」と考えちゃう人というのはその逆ね。

ギャンブル以外への投資をほぼせずに、勝った負けたを繰り返してるうちに気付くと出玉をホールにお返ししちゃってるという傾向が高い。

どっちが賢いのか。いちいち説明するまでもないだろうけど一応言っておくと、今回引用したスレ主みたいな人が当然賢いということになる。

パチンコ・パチスロに限らず、ギャンブルというのは勝ち逃げするのが一番気分が良い!

勝ちを積み重ねることなんてそうそうできるもんじゃないんだから、そういうことは考えないに限る……ということを、僕も自分によくよく言い聞かせなければならない。

「パチスロで28万の臨時収入があった」という書き込みで考えるギャンブルの楽しみ方