イギリス・ウェールズでのファストフード店では、夜になると不良のたまり場となり、迷惑行為が増え、トラブルが多発しているという。
そこでマクドナルドでは、これを防ぐ対策として、夜は店内BGMにクラッシック音楽を流し、フリーWi-Fiをオフにした。
この措置は、先月発生した複数のファストフード店での若者たちの不良グループによる暴行事件を受けてのものだ。
【画像】 ファストフード店でたむろする不良グループの迷惑行為が多発
イギリス・ウェールズでは、ここ最近若者による乱闘などの迷惑行為が多発している。
1月25日、レクサム中心地では若者20~30人の不良グループによる暴行事件が発生した。
彼らは、通行人を攻撃したり、物を店員に投げつけたり、消火器を噴射したりするなど、特定のファストフード店にたむろしながら、複数に分かれて乱闘を引き起こしたという。
[もっと知りたい!→]混雑する空港内で有名ラッパー同士がガチバトル。乱闘騒ぎで飛行機が遅延する事態に(フランス)
image credit:North Wales Police
日中のファストフード店はさまざまな客でにぎわうが、夜になると飲酒後に酔っ払らいがやって来る。さらに不良グループのたまり場になり、乱闘やトラブルが勃発しやすい土壌にある。
先月、乱闘が絶えず「世界一最悪のマクドナルド」と言われていたカナダのオタワ店が閉鎖されたのは記憶に新しい。
マクドナルド、夜の店内BGMをクラッシックに変えWi-Fiをオフに
そこでマクドナルド・レクサム店では、午後5時からクラッシック音楽を流して、Wi-Fiをオフにする対策を行うと発表。レクサム警察はこの措置に同意した。
レクサム警察のルーク・ヒューズ警部補は、次のように述べている。
特定の若者の不良グループに懸念を抱いています。彼らは、時には20~30人集まってファストフード店でたむろしているようで、複数の暴行の通報があります。
普通に客として来ている子供たちが、不良グループに店から追われるという事態も発生しています。
特に最近の暴行事件は衝撃的です。こうした迷惑行為には厳しく対処しなければなりません。
すでに私たちは数人を逮捕し、数人は家に連れて帰りましたが、それだけでは問題を長期的に解決することにはなりません。
警察はパトロールを強化しますが、ファストフード店では予防のためにWi-Fiを切り、クラッシック音楽をBGMに流します。
同時にマクドナルドは、このように述べている。
私たちはより広い地域に影響を与える反社会的行動を認識しており、この問題に取り組む警察を支援するために、レクサム店に多くの対策を導入しました。
過去に一部の店舗ですでにクラシック音楽を導入し、顧客にどのような影響をもたらすかをテストしていますが、その結果「より許容範囲の広い行動を促す」ことが判明しました。
果たしてクラッシック効果はでるのか?
だがBGMをクラッシックにすることで、果たして効果が得られるのだろうか?
店内BGMの選曲が、顧客に及ぼす影響に関する調査はすでに行われているそうで、ロンドンでテストしたところ、実際に多くの顧客が気分を穏やかにさせることがわかったという。
だが、不良少年たちを描いた映画「時計じかけのオレンジ」では主人公がクラッシックの愛好家で、クラシックが重要なキーになっている作品だったことから、逆効果になってしまうのではという声も上がっている。
ヒューズ警部補は、「不良グループがよほどのベートーヴェン愛好家でない限り、いくつかのトラブルは防止できるでしょう」と述べている。
だが、実際にクラッシック音楽が不良グループの暴力行為の歯止めになるのかどうか、今のところはわからない。研究のサンプルにはなりそうだが。
追記:(2023/02/06)本文を一部訂正して再送します。
References:Fast food restaurant will play classical music in bid to stop more Wrexham trouble/ written by Scarlet / edited by parumo
コメント