プレミアリーグ第22節、エバートンvsアーセナルが4日にグディソン・パークで行われ、ホームのエバートンが1-0で勝利した。なお、アーセナルのDF冨安健洋は85分から途中出場した。

先月末に行われたFAカップでマンチェスター・シティに敗れ、2023年初黒星を喫したアーセナル。その敗戦からのバウンスバックを図るアルテタのチームは、降格圏の19位に沈みランパード前監督を解任し、ダイチ新監督を招へいした新生トフィーズ相手に白星を狙った。

リーグ2連勝中の首位チームは、大幅なターンオーバーを行ったシティ戦で温存した主力を復帰させ、現状のベストメンバーを起用。状態が懸念されたトーマスも無事スタメンに入った。

[4-5-1]のコンパクトな布陣で臨んだエバートンに対して、立ち上がりからボールを持って主導権を握るアーセナル。だが、新指揮官の下で球際の強度を強調するホームチームの堅守に苦戦。決定機はおろか、なかなかフィニッシュまで持ち込めない状況が続く。

これに対して、ダイチ監督の代名詞であるロングボールやカウンターを仕掛けるエバートンは、十分に分があるセットプレーを含めシンプルな攻めから幾度か際どいシーンを作り出し、グディソンのエバトニアンを沸かす。

前半半ばを過ぎても拮抗した展開が続く中、30分過ぎには互いに決定機を創出。まずは30分、サカのラストパスに反応したエンケティアがボックス内で強さを発揮してDFを振り切って右足を振るが、これは大きくふかしてしまう。

直後にはエバートンが続いて左サイドを破ってオナナ、マクニールの折り返しからキャルバート=ルーウィン、ドゥクレに決定機も、最後の精度を欠く。

何とか前半の内に攻撃の糸口を掴みたいアーセナルだったが、39分にジンチェンコの左クロスから迎えたサカの決定機はDFコーディの見事なゴールカバーに阻まれ、最低限のゴールレスでハーフタイムを迎えることになった。

後半はキックオフ直後にゲイエの強烈なミドルシュートでホームチームが見せ場を作ったが、以降は攻守両面でハーフタイムに修正を施したアウェイチームが前半にはあまり見られなかった厚みのある仕掛けでゴールに迫っていく。

さらに、59分にはトーマスとマルティネッリを下げてトロサールと、アーセナルデビューのジョルジーニョをピッチに送り込んだが、奇しくもこの交代直後に試合が動く。

60分、エバートンは右CKの場面でキッカーのマクニールが滞空時間の長いボールを入れると、ゴール前の密集で競り勝ったタルコウスキが頭で流し込み、値千金の加入後初ゴールとした。

自分たちの流れでゴールを奪えず、逆に先制を許す苦しい展開となったアーセナルは、ここからよりリスクを冒して前に出る。そして、エンケティアの個人技や狭い局面でのコンビプレーで打開を図るが、最後のところで粘る相手の守備に手を焼き、シュートを枠に飛ばせない。

そういった中、77分にウーデゴールを下げてファビオ・ヴィエイラ、85分にはホワイトを下げて冨安をピッチに送り込み、まずは同点を目指していく。しかし、ボックス内でのシュートチャンスではトロサールやジンチェンコが焦りからか、ことごとくシュートを枠外に外してしまう。

そして、試合はこのままタイムアップを迎え、ダイチ新監督率いるエバートンが初陣を会心の勝利で飾り、昨年10月半ば以来となるリーグ9戦ぶりの白星を挙げた。一方、格下相手に敗れたアーセナルは今季初の公式戦連敗と共に、昨年9月のマンチェスター・ユナイテッド戦以来となる14戦ぶりの今季2敗目を喫した。

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