現在24歳である自身と同世代の女性に向け、一部に深く「刺さる」作品作りを心掛けている美大生・ハヤシレナさん。「タイポグラフィー」と呼ばれる文字デザイン技法に詩的な文章を組み込んだ「タイポエム」という作品で自身を表現します。

 先日は、それを「空間」で表現。一部どころか広い層に刺さる反響を得ました。

【その他の画像・さらに詳しい元の記事はこちら】

 「美大の大学院生、本気の進級制作 タイポ×ポエムを掛け合わせたタイポエムをギュギュッと空間に詰め込みました」

 つぶやきとともに、1枚の写真をTwitterに投稿したハヤシさん。オリジナルブランドである「#88407ハヤシレナ)」が記された「初恋トキメキッス」のタイポエム作品を紹介する自身に、周囲にはガーリーなデザインが施された床や箱が設置された様子が写し出されています。

 加えて箱や背景の壁面には、様々なタイポエムが所狭しと敷き詰められています。「永遠バージン」「恋スルー」「いちずキュン」「永遠エンジェル」などなど……少女漫画を彷彿とさせるデザインもですが、読み上げると分かる語呂の良さにも面白さがありますね。

 今回ハヤシさんが制作したのは、ロゴという「点」ではなく、それを含めた空間という「面」の「#88407 Winter Collection 2023 初恋トキメキッス」。「クリスマス」や「バレンタイン」といった、「恋愛」を想起させるイベントを意識しています。

 「恋する乙女にとっては、ドキドキワクワクする季節だなと思っています。その感情をイメージした空間演出をしました」

 日頃より、現在24歳である自身と同世代の女性を作品のターゲット層ととらえているハヤシさん。さらに本作は、「平成をリバイバルした作品」を大学院で制作していることもあってか、“対象年齢”がいつもより広めになったようです。ボックスツリーに取り付けた「ピカピカ」効果もあり、投稿には1万を超える喝采が送られました。

 ハヤシさんは、ロゴ制作の他にも、アパレルブランドとのタイアップ百貨店でのポップアップクリエイターとしても活動しています。在籍する多摩美術大学大学院では、「令和」における流行のサイクルやマーケティングを研究。

 「制作において『辛い』とか『苦しい』って感情はまったくありません。いつも楽しく作っているので、私の作品を見て、わくわく楽しい感情になってもらえたらとても嬉しいです!」

 昨今は「Z世代」なんて軽々しい言葉で一括りにされがちな世の中ですが、「当事者」の一人としてハヤシさんは今を駆け抜けています。大学の講評などで教授たちの審査で都度もまれ、ブラッシュアップを施し、学外へ向け発表活動を繰り返す日々を過ごしながら、「ネオクリエイター・ハヤシレナ」確立を目指していきます。

<記事化協力>
ハヤシレナさん(Twitter:@outidaisukiclub/Instagram:@hayashirena128

(向山純平)

これが私の「エリア88407」 タイポエマー・ハヤシレナが表現するトキメキ空間