大分空港には、おんせん県”大分らしく、1階の到着ロビーに「足湯」がありますが、この足湯施設が近年、大きく変貌を遂げています。背景には、同空港に与えられた新たな役割がありました。

別府直送の源泉かけ流し

大分空港には、ユニークな施設が存在します。“おんせん県”大分にある空港らしく、1階の到着ロビーに「足湯」があるのです。この足湯は、別府から直送された源泉掛け流しの温泉を使用。無料で利用できるということもあって、2016年のオープン以来、空港の名物のひとつとなっています。

ただでさえ珍しいこの施設が、2022年より、もっと変わった仕様に変化しています。施設内の壁などが宇宙船の内部をイメージさせるものになっており、入り口の“のれん”に宇宙人が描かれているものになっているのです。

この"宇宙仕様”の足湯は、大分空港がアジア初の「水平型宇宙港」として活用されると決定したことが発端です。「ジャンボジェット」ことボーイング747を改修した航空機が人工衛星を搭載したロケットを翼から吊り下げ、大分空港から飛び立ち、空中でロケットを打ち上げる予定です。大分県によると、大分空港は3000mの長い滑走路が設置されており、周辺に多様な産業集積と豊富な観光資源をもつことが、「宇宙港」として選ばれた理由としています。

この大分空港の足湯の「宇宙化」は、同空港の利用者や県民に、宇宙港をより身近に感じられるような機運を醸成する取り組みの一つだそうです。同空港の館内はこの足湯以外にも、宇宙港や宇宙を連想するような特別な内装が各所に見られます。

大分空港(乗りものニュース編集部撮影)。