大人の社交場・銀座のクラブにホステスとして勤めているみずえちゃんと申します。水商売を始めたのは22歳の頃でした。北新地のキャバクラクラブ、地方の激安キャバクラ……週5でお酒を飲んで、グイグイヨシコイ!とかやっていたら、いつの間にか10年以上経っていました。昼職との掛け持ちで朝から朝まで(ほぼ24時間)働いていた頃ほどの体力はなく、アフターはしんどいし、お肌も肝臓もお疲れモードです。そもそもコロナ禍でほとんど出勤さえさせてもらえない。まさに、限界ホステス。

 その傍ら、ライターとしても活動しており、これまでに私がお酌をさせていただいたおじさま方との実体験をもとに、恋愛やモテに役立つ情報を発信しています。

キャバクラの高い飲み代をドブに捨て続けている男性が多い

 夜遊びの定番といえば、「キャバクラ」です。そこでは“キャバ嬢”と呼ばれる女の子たちが、隣に座り接客をしてくれるわけですが、1セット60分4000円から1万円が相場なので、決して安いお買い物(遊興)ではありません。

 せっかくキャバクラを利用するのであれば、意中の女の子と結ばれたい、モテたいと願うのは当然。しかし、NG行動をとってしまったがために意図せずして女の子に嫌われ、高い飲み代をドブに捨て続けている男性が実は多いのです。

 そこで、今回はキャバクラにおけるNG行動について6つの具体例をあげ、詳しく解説していきたいと思います。

◆NG行動①プライベートな内容を根掘り葉掘り聞く

「時給(日給)はいくらもらっているの?」「本名は?」「彼氏はいるの?」

 これくらいならまだマシなほう。お給料は一般サラリーマンと同程度から10倍ぐらいは稼いでいるキャバ嬢もいるかもしれませんが、ここはうまくごまかします。

 本名? 「ありません」

 彼氏? 当然いますが「いません」としかお答えできません。

 さらに畳みかけるように「どうしてこんなところで働いているの?」と、お聞きなる男性がまれにいらっしゃいます。私くらいベテランになってしまうと「お酒が好きだから」「婚活!」と、サラサラと答えられますが、新人キャバ嬢ちゃんなんかは泣き出しちゃうかもしれません……。

 このようなクエスチョンは避けておくのが無難でしょう。

◆NG行動②むやみやたらに女の子髪の毛に触れる

 キャバクラではお触りは原則禁止です。それを理解した上でキャバクラを利用している方が大半ですが、なぜか髪の毛=ボディではないからタッチしてもOK、と勘違いなさっている方がいらっしゃいます。

 髪の毛に触れるのは超NGです。なんならボディタッチよりNGです。キャバ嬢は出勤前に「セットサロン」と呼ばれる、ヘアメイク専門の美容室に行き、ヘアメイク済みの状態で出勤しています。ヘアメイク代は1500円から3000円が相場で、当然自腹です。

 そのため、彼女たちは髪に触れられることを超嫌がります。だって、ヘアスタイルが崩れた状態で営業終了時間までお仕事しなくちゃいけないなんて嫌ですもの。

 香川照之氏のように女の子髪の毛を掴む、モジャモジャにするなんてもちろん論外ですが、「ぽんぽん」「よしよし」もNGです。

◆NG行動③店外デートばかり求める

 キャバクラ女の子と連絡先を交換するのはよくあること。LINEメール、電話を繰り返すうちに、意中の女の子と「プライベートでも仲良くしたい」という欲が出てくるのも当然だと思います。

 しかし、女の子にとって店外デートトラブルのもと。よほど気ごころの知れたお客様ならばまだいいのですが、出会ったばかりの男性に「有馬温泉に行こう」「お店には行けないけど土曜日ならあいてるよ」なんて言われたら、「めんどくせえ」「消えろ」としか思わないです。無表情で「ありがとう」とだけ返しますが。

 意中の女の子とは、どうか同伴(出勤前に食事など)をしてあげてください。アフターなら1~2時間で切り上げて、サッとタクシー代を渡すとスマートです。「早く帰って寝たい」が本音なので。

◆NG行動④女の子ドリンクの注文をしぶる

 キャバクラセット料金の中には、ハウスボトルと呼ばれる飲み放題のウイスキーや焼酎などのドリンク料金も含まれています。ただし、ハウスボトルを飲めるのは大半の場合、お客様のみ(※私が勤めていた激安キャバクラではハウスボトルを女の子が飲むのはOKでした)。

 よって、女の子ドリンクは男性が別料金を支払ってオーダーしてあげるのがスマートです。1000円から2000円程度ですが、女の子のお給料にインセンティブとして入ることが多いので、これをしぶられると正直シラケます。

◆NG行動⑤指名料をケチる

 キャバクラの指名制度においては「場内指名」「本指名」の2種類の指名があります。

 簡単に言えば、お客様が席に着いた後で指名するのが「場内指名」。お客様がお店に入る段階で指名するのが「本指名」で、本指名のお客様=リピーター様です。

 場内指名では女の子に指名バックがつかなかったり、少なかったりします。一方、本指名ではバック率が上がったり、それにプラスしてお客様のお支払い料金がそのまま女の子の売上に加算されることもあります。

 売上成績のいい女の子は時給(日給)も上がるので、当然女の子は「本指名」を狙って頑張ります。

 指名料の相場は1000円から3000円。意中の女の子がいるなら、さっさと本指名にするのが吉です。話はまずそれから。

 ちなみに、意中の女の子の気を引きたくて永遠にフリーを貫く、または指名をコロコロ変えるのは逆効果です。ロッカールームで悪口を言われて、恥ずかしいLINEを晒されるのが関の山。よしましょう。

◆NG行動⑥食品の差し入れ

 スイーツの差し入れをする男性がけっこういらっしゃいます。しかしこちとら連日の同伴とシャンパンカロリー過剰摂取。そんなときに「このケーキ、賞味期限は今日までだから」と、クリームもりもりの砂糖の塊を渡されても正直、ウーンという感じです。あと、ロクシタンのハンドクリーム。これもすごくよく貰うので、キャバ嬢全員、お部屋に200本はあるんじゃないかな。

 北新地にいたころ、シャンパンなんて滅多に入れないのにすごく女の子にモテるおじいさんがいまして、彼は免税店で購入したデパコスリップや香水を、来店するたびに女の子全員に配っていました。お金の使い方がうまいと感じました。

◆良かれと思った行動が意外とNG

 今回はキャバクラにおけるNG行動6つを解説しました。どれもキャバクラの女子更衣室で実際に耳にしたキャバ嬢同士の世間話をもとに書かれています。

 良かれと思って行っていることが意外とNGだったりするので、恋ってもどかしい。でも、そんなもどかしさを楽しみつつ今晩も良い夜遊びを。

<文/みずえちゃん>

【みずえちゃん】
1989年生まれ。新潟県長岡市出身。関西外国語大学卒業後、大阪市内の広告代理店に勤務する傍ら、キャバ嬢デビュー。結婚、離婚、地方の激安キャバクラを経て、現在は銀座ホステスとライターを兼業。Twitter@mizuechan1989

銀座ホステス兼ライターの筆者(みずえちゃん)