ミートミンサーにセットした肉の塊が、小さな穴から挽肉となって出てくるのを見たことがあるだろうか。もしあのピンク色の挽肉がモゾモゾと動き出したら…誰だってギョッとするに違いない。そんな背筋が寒くなるような動画がSNSに投稿され、注目されている。動物専門ネットメディア『The Dodo』が伝えた。 

世界中の虫の面白い生態を紹介するInstagramアカウント「Snagbug」に先月24日、生の挽肉がモゾモゾと動いているかのような動画が投稿された。

それはスパゲッティが蠢き、砂利の上を移動しているようにも見え、次のような説明が添えてあった。

スパゲッティの塊が動いているように見えるのは、群れで移動する多数のヤスデ。若いヤスデは特に、自身の身を守り、効率化を図るため集団で移動する。この行動はハバチ(ハチの仲間)の幼虫など、他の節足動物にも見られるものだ。」

「集団で動くことは、群れの上段にいる個体のスピードを上げることを可能にする。なぜなら上段の個体は、下段で前進している個体の上を動くためだ。さらには上段と下段が入れ替わることで集団の平均のスピードも上がり、砂利道のような平坦な場所でも速い移動が可能になるのだ。」

つまり、あの奇妙な動きはヤスデが生き延びるための“戦略”ということになるのだろうが、この動画には「グロテスクだ」「あまり近くでは見たくはないね」といった声のほか、次のようなコメントが寄せられた。

「私たちがエスカレーターの上を歩くのと一緒だよね。動いているプラットフォームの上を歩くとスピードが倍になる。」
「禁断のスパゲッティだ。」
「集団で動くと、かえって敵に見つかりやすくなる気もするけど? そんなことはないのかな?」
「移動のスピードが上がるから、身を守ることができるということなのだろうね。」 
もののけ姫のタタリ神のようだ。」
宮崎駿の世界だね。」
ヤスデで日本の電車が事故を起こしたと聞いたことがある。」

ちなみに『The Dodo』は、ヤスデの集団移動は繁殖期や餌を探す際にも見られることを指摘している。ヤスデは一度に数百個の卵を産むそうで、日本では大量発生したヤスデ(キシャヤスデ)が線路上で引き潰され、車輪がスリップして列車が運休する事故も起きている。キシャヤスデの大量発生は、7年間を土の中で過ごした幼虫が交尾相手を探すため、成虫となって地上に出てくることが原因という。

なおヤスデは悪臭を放つことでも知られており、“不快害虫”と呼んで嫌う人も多い。しかし実はムカデのように人を噛まず、落ち葉や枯葉を食べて豊かな土壌を作る益虫なのだという。

画像2枚目は『Snagbug 2023年1月24日付Instagram「This rolling ball of spaghetti」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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