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タッチスクリーンの弱点克服へ

自動車業界は、ドライバーとクルマを結ぶインタラクションについて、完璧な(時には半端な)答えを見つけようと苦心している。

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クルマが多機能化する中で、タッチスクリーンは無数の物理的操作系(ボタンダイヤル)による複雑さを軽減しているが、ドライバーの注意散漫の原因になってしまうこともある。しかし、HUDヘッドアップディスプレイ)を採用することで改善できるのではないだろうか。

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BMWはコンセプトカー「i Vision Dee」に搭載されたHUDを、2025年に市販車へ搭載する計画だ。    BMW

HUDは、多くの高級車や上級モデルが搭載しているものの、標準装備されるべき重要な機能というよりは、まだ単なるギミックのようなものでしかない。車載用HUDは30年前から存在しているが、機能としては速度表示や簡単なナビゲーションといった基本的なものにとどまる。

一部にAR(拡張現実ディスプレイを採用した車種もあるが、それよりもはるかに進んだ新技術が実用化を控えている。

ボルボBMWは、ARフロントガラスの計画を発表しており、自動車部品サプライヤーであるコンチネンタルは、フロントガラスの底面を横切るフルワイドHUDを披露している。

ボルボカーズのベンチャーキャピタル投資部門であるボルボカーズ・テックファンドは、イスラエル企業スペクトラリックス(Spectralics)の株式を取得した。この会社は、ガラスに画像を重ね合わせることができる「多層薄型コンバイナー」を開発した。フロントガラスに内蔵することで、プロジェクターなしで全画面型HUDを実現するというものだ。

BMWは、先日CES 2023で公開したコンセプトカー「i Vision Dee」のフルワイドHUDを、2025年に市販車に搭載するとしている。

では、タッチスクリーン(およびその他の操作系)は、フルワイドHUDに移植したり、統合したりできるのだろうか? 例えば、インテルのハンドトラッキングステム「Realsense」のようなジェスチャー関連技術を使えば、HUD上にタッチスクリーンをゴースト表示させ、乗員の手の動きで操作できるようになるかもしれない。

従来の静電容量方式のタッチスクリーンにおいても、タッチスクリーンに対する指先の位置をカーソルとして表示することができるかもしれない。そうすれば、ドライバーは道路から目を離さずに操作できるし、同乗者もタッチスクリーンを使うことができる。また、ステアリングホイールの一部をラップトップ風のトラックパッドとして使用することも可能だ。トラックパッドに触れると、視線の先にゴーストボタンが表示され、ドライバーが下を向いてしまう危険性を回避するのだ。

現在のインターフェース技術の多くは、スマートフォンやパッドなどのデジタル機器からクルマへの移行がうまくいっていないが、これらを同期させることで、状況を改善することができるかもしれない。


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