中古住宅を購入した男性がリフォームを行っていたところ、壁の中から大量の旧紙幣が発見されたというニュースがスペインから届いた。男性は数年にわたって合計750万円相当の旧紙幣を見つけたが、ある理由で一部を換金することができなかったという。英メディア『The Sun』『The Mirror』などが伝えている。

スペインバレンシアで暮らすトニョ・ピネーロさん(Toño Piñeiro)は数年前、生まれ故郷であるスペイン北西部のガリシア地方で老後を過ごすための中古住宅を購入した。

そしてリフォームを行っていたところ、壁の中から古いネスクイック(欧米を中心に販売されているチョコレート風味の乳飲料)の缶を発見した。驚くことに、その中にはスペインの旧紙幣である「ペセタ」が隠されていたという。

発見した2つの缶には合計で500万ペセタが入っていたといい、トニョさんはそれを30000ユーロ(約420万円)に換金した後、新しい屋根の代金として使ったそうだ。

そして昨年、さらに合計400万ペセタの1970年代の紙幣が入った4つの缶を見つけたトニョさんは「前の家主は湿気を避けるため、缶の容器に保管していたのでしょう。最後に見つけた缶に入っていた紙幣は多少傷んでいましたが、他のものは信じられないほど綺麗なままでした。自分の幸運が信じられませんでした」と振り返った。

しかし喜びも束の間、ペセタの換金は2021年6月で終了していたため新たに発見された旧紙幣は換金することができなかったのだ。トニョさんは「急いで現金に換えようとスペイン銀行に電話したのですが、期限を過ぎているのでもう換金はできないと言われたんです」と語った。

ペセタは2002年にスペインがユーロを導入したのち段階的に廃止された通貨で、スペイン銀行によると、期限までに換金されなかった旧紙幣と硬貨は約16億ユーロ(約2270億円)にものぼるという。現在は換金不能な旧紙幣が市場に溢れているため、その価値は急落しているとのことだ。

ちなみに合計900万ペセタ(約53000ユーロ、約751万円相当)もの大金が隠されていたこの家は以前、カナバル煉瓦工場の労働者で家畜商でもあったマヌエル・ド・シェンテス氏(Manuel do Xentes)が所有していた。そして相続人がいないまま亡くなった彼の家は40年間放置されたのち、数年前にFacebookで売りに出されたのだった。

近隣住民によると、マヌエル氏は家の中だけでなく様々な農機具にも紙幣を詰め込んでいたそうで、それに気づかないまま売ってしまうこともあったという。

トニョさんは現在、旧紙幣を記念品として保管するだけでなくコレクターに売却することも考えており、1970年代の紙幣をデザインした父親を持つ建築家のペペ・クルズ氏(Pepe Cruz)が紙幣の購入に興味を示しているそうだ。

画像は『The Sun 2023年2月1日付「SKAKEN UP I found £47,000 stuffed into the walls of my new home hidden in Nesquik cans – but there’s a devastating twist」(Credit: AGENCIA ATLAS / EFE)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)

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