米フロリダ州の動物保護施設に昨年のクリスマス前、4歳のオス猫がやってきた。飼い主は「ベタベタし過ぎてうざい」という理由で猫を手放しており、同施設が先月末にSNSで「ありのままの僕を愛して!」と里親を募集したところ大きな反響があった。米南部を拠点とするネットメディア『Southern Living』などが伝えている。

フロリダ州ブロワード郡の動物保護施設「ヒューメイン・ソサイエティー・ブロワード・カウンティ(以下、HSBC)」のSNSに現地時間1月26日、オス猫“ジェリーJerry、4)”の動画が投稿された。

ジェリーは昨年12月22日、元飼い主が「ベタベタし過ぎてうざいから」と持ち込んで置き去りにしたそうで、新しい家族がなかなか見つからないことに心を痛めたスタッフが里親を募集したのだった。

動画はケージの隅で丸くなるジェリーをスタッフが優しく撫でる様子を捉えたもので、窓ガラスには1枚の手紙が貼られていた。

その手紙には青い文字で「あまりにもベタベタし過ぎなんだって!」と書かれており、ジェリーの気持ちを代弁したこんな告白が続く。

「そうなんだ。それこそ飼い主が僕をここに連れてきた理由だよ。」

「飼い主の女性に『あなたの甘えん坊でベタベタしてくるところがうざいのよ』と言われたんだ。彼女に対し、僕の態度は度が過ぎたってことだね。僕がドアのそばで彼女のことを待っていたり、おしゃべりし過ぎるところがね。僕は彼女のことが大好きだったのに、彼女は僕のことを愛してくれなかった…。」

「でも僕はこう願っている。『誰かがありのままの僕を愛してくれることをね!』」

「愛をこめて、ジェリーより。」

さらにこの手紙の最後には「僕は家が見つかるのを長いこと待っている」と追記があり、しかめっ面の絵文字が添えられていた。またスタッフは、ジェリーが優しく撫でられることや体を擦りつけるのが大好きなこと、飼い主に捨てられたことで悲しみ、困惑していることを説明、この動画には次のようなコメントが寄せられた。

「悲しくなるわ。甘えん坊のジェリーを理解してくれる飼い主が早く見つかって欲しい。ただジェリーの信頼を取り戻すには時間がかかるかもしれないわね。」
ジェリーが悲しそう。」
ジェリーのように甘えてくる猫なんてそういないわよ。猫はきまぐれなんだから。こんな理由で猫を捨てるなんて、元飼い主はペットを飼うべきではないわね。ペットは家族と同じよ。」
「ペットを物のように捨てることは反対。でも元飼い主がジェリーを施設に連れてきたことは評価すべき。その辺に捨てられて死んでしまうこともあるわけだから。」
「これだけの反響があったら、元飼い主も負い目を感じるのでは?」
「私には全く理解できない行為。」
「愛情を求めてくるペットを拒否するなんて、元飼い主こそペットに愛される価値がない人間だよ。」

なおHSBCは、この投稿から24時間以内に「新しい飼い主が見つかった」と嬉しいニュースを報告、SNSにこのように記した。

「優しいジェリーには、どんなに甘えても受け入れてくれる、愛情溢れる永遠の家が見つかったの。SNSでシェアしてくれた皆さん、ありがとう! ジェリーにピッタリの人物があの動画を見て、朝一でシェルターに駆けつけてくれたわ。これはみなさんの協力なしでは成し遂げられなかったことよ!」

ちなみにHSBCは現地時間1月27日朝、4家族が「ジェリーを我が家に迎えたい」と列を作って待っていたことを明かしており、先頭に並んだ家族がジェリーを引き取ったという。

この一家には先住猫がいるそうで、ジェリーが新しい家族や仲間に思い切り甘え、たくさんおしゃべりし、幸せでいることを願うばかりだ。

画像は『Humane Society Broward County 2023年1月26日付TikTok「Too affectionate」、2023年1月27日付TikTok「Jerry was adopted!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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