フランクフルトは7日、本拠地ドイチュ・バンク・パルクで行われたDFBポカール3回戦でダルムシュタットと対戦し、4-2で勝利。準々決勝進出を決めた。なお、MF長谷部誠は、MF鎌田大地はいずれもフル出場した。

リーグ前節のヘルタ・ベルリン戦を3-0の快勝で飾り、公式戦8試合無敗と好調を継続するブンデスリーガ5位のフランクフルト。ベスト8進出を懸けたこの一戦では、ブンデスリーガ2部で首位に立つダルムシュタットと対戦した。なお、長谷部は3バックの中央、鎌田は2セントラルMFの一角でスタメン起用となった。

共に[3-4-2-1]の布陣を採用し、ミラーゲームの形となった試合。キックオフから主導権争いがしばらく続いたが、ホームチームが幸先よく先制に成功する。

6分、鎌田も絡んだ右サイドでの細かいパス交換からアウレリオ・ブタが右サイド深くに抜け出すと、ゴールライン際から正確なクロスを供給。中央からニアへの斜めのランニングでDFを引っ張った味方の動きを利用し、ゴール前で冷静にステイしたコロ・ムアニのヘディングシュートがGKの手を弾いてゴール左へ決まった。

ホームチームがファーストチャンスをモノにして先制した後は、空中戦での交錯によってトゥタ、ミュラーと両チームの選手が頭部を負傷し、治療のために数分間の中断を余儀なくされる。

再開後の23分には左サイドのスペースに抜け出したマックスからの正確なグラウンダークロスでフランクフルトに2点目のビッグチャンス。だが、ゴール前にタイミング良く飛び込んだゲッツェのワンタッチシュートは相手GKのビッグセーブに遭う。

すると、このプレーをキッカケに試合の流れが一変。まずは29分、ビルドアップの場面で長谷部とローデのパス交換がうまくいかず、ダルムシュタットにカウンターを許す。さらに、スライディングでパスカットを試みた長谷部が交わされて数的不利に陥ると、メーレムのボックス右からの折り返しをホンサクにダイレクトで蹴り込まれて同点に追いつかれる。

さらに、直後の31分には相手GKからのロングボールを中盤で回収されて再びカウンターに持ち込まれると、シェネルハルトのスルーパスに抜け出したホンサクに正確な左足のシュートを右隅へ流し込まれ、逆転まで持っていかれた。

瞬く間の連続失点で試合を引っくり返されたフランクフルトだが、慌てずに相手を押し返していくと、前半終了間際に同点に追いつく。44分、マックスのアグレッシブなボール奪取からショートカウンターに持ち込むと、クロスのこぼれ球に反応したローデがボックス内のゲッツェの足元へすかさず縦パス。ゴールを背にした元ドイツ代表MFが冷静に左へ叩くと、フリーのボレがきっちり左足でゴールネットへ流し込んだ。

1部チームの勝負強さを発揮して2-2のイーブンで試合を折り返しフランクフルトは、前半カードをもらっていたエンディカを下げてスモルチッチをハーフタイム明けに投入。

後半も引き続き一進一退の攻防が続く中、ホームチームの日本人エースが決定的な仕事を果たした。62分、相手陣内右サイドで粘ったボレが浮き球のクロスを上げると、ボックス内でゴールを背にしたコロ・ムアニが冷静に頭でマイナスに落とす。ペナルティアーク付近でこれに反応した鎌田が右足アウトにかけた見事なダイレクトボレーシュートをゴール右隅へ突き刺した。

鎌田の2023年の公式戦初ゴールで勝ち越しに成功したフランクフルトだが、完璧に試合をコントロールするまでには至らず。リード直後にオフサイドに救われたものの、ゴールネットを揺らされるピンチを招くと、65分にもセットプレーからティーツに左ポスト直撃のシュートを打たれる。

それでも、このピンチを凌いだホームチームは、ソウやクナウフといったフレッシュな選手の投入で試合を落ち着かせると、以降は危なげなく時計を進めていく。

さらに、試合終了間際の90分には自陣でのマックスのボール奪取からロングカウンターを発動。ゲッツェの絶妙なスルーパスに抜け出したコロ・ムアニが左サイドを独走すると、最後はボックス内でGKとの一対一を制し、試合を決めるドッペルペックとした。

そして、鎌田のスーパーゴールが決勝点となり、ブンデスリーガ2部首位チームとの打ち合いを制したフランクフルトがベスト8進出を決めた。

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