DFBポカール・ラウンド16(3回戦)が7日に行われ、フランクフルトとダルムシュタットが対戦した。

 現在は公式戦8試合無敗と絶好調のフランクフルトは、ブンデスリーガでも5位まで順位を上げている。ここからのシーズン後半戦で十分にチャンピオンズリーグ(CL)出場権を争えるどころか、首位を走るバイエルンとの勝ち点差も「5」のため、優勝争いも狙える位置だ。DFBポカールでもここまで安定感のある戦いぶりを披露しており、ラウンド16ではブンデスリーガ2部で現在首位に立つダルムシュタットと対戦。フランクフルト鎌田大地長谷部誠は共にスタメン出場を飾っている。

 試合は立ち上がりの6分に動く。フランクフルトは右サイドでの細かいパス交換から、アウレリオ・ブタが右サイドを突破。マイナスへのクロスボールをランダル・コロ・ムアニが頭で叩き込み、幸先よくフランクフルトが先制に成功した。コロ・ムアニはこれで公式戦4試合連続ゴールとなっている。

 対するダルムシュタットは29分、敵陣でボールを奪ったところからショートカウンターを発動し、最後はマティアス・ホンザクがゴールネットを揺らす。続く31分にはピッチ中央付近でルーズボールを拾うと一気にスピードアップ。ファビアン・シュネルハルトのスルーパスから、抜け出したホンザクがきっちりとGKとの1対1を仕留め、およそ3分間ほどでダルムシュタットが逆転に成功した。

 それでも、フランクフルトは前半のうちに試合を振り出しに戻す。フィリップ・マックスが左サイドの高い位置でボールを奪うも、クロスボールは相手にクリアされる。しかし、セカンドボールにセバスティアン・ローデが反応。ダイレクトでの縦パスをマリオ・ゲッツェが落とし、最後はラファエル・ボレが左足で流し込んだ。フランクフルトが同点に追い付いてハーフタイムに突入した。

 後半最初にスコアを動かしたのはフランクフルト。62分、右サイドに流れたボレがゲッツェとのワンツーからクロスボールを送ると、ペナルティエリア内で競り勝ったコロ・ムアニが頭で落とす。このボールに反応したのは鎌田。ダイレクトで右足を振り抜き、豪快な一撃をゴール右下に突き刺した。鎌田の今季公式戦通算13ゴール目で、フランクフルトが再びリードを得ることとなっている。

 ダルムシュタットは65分、フリーキックをペナルティエリア左へと放り込み、折り返しフィリップ・ティーツが反応。ニアサイドから狙った一撃は左ポストに嫌われた。66分にはピッチ中央付近でボールをカットするとそのままスピードアップし、最後はトビアス・ケンペがヘディングシュート。この一撃はGKケヴィン・トラップに弾き出されるも、こぼれ球をマルヴィン・メーレムが押し込んだ。しかし、メーレムのポジションがオフサイドだったため得点は認められず。

 その後はダルムシュタットが同点を目指して前がかりとなったものの、フランクフルトはカウンターで試合を決めにかかる。90分、ゲッツェのスルーパスからコロ・ムアニが左サイドを破り、そのまま持ち運んでゴールネットを揺らした。コロ・ムアニの“ドッペルバック”でフランクフルトが勝利を決定付けた。

 試合はこのままタイムアップ。勝利したフランクフルトが準々決勝進出を決めている。なお、鎌田と長谷部は共にフル出場を果たした。準々決勝の組み合わせ抽選会は12日に開催予定で、試合は4月4日および5日に開催される予定となっている。

【スコア】
フランクフルト 4-2 ダルムシュタット

【得点者】
1-0 6分 ランダル・コロ・ムアニ(フランクフルト
1-1 29分 マティアス・ホンザク(ダルムシュタット)
1-2 31分 マティアス・ホンザク(ダルムシュタット)
2-2 44分 ラファエル・ボレ(フランクフルト
3-2 63分 鎌田大地フランクフルト
4-2 90分 ランダル・コロ・ムアニ(フランクフルト

豪快なシュートでチームを勝利へ導いた鎌田大地 [写真]=Getty Images