事件の被害者遺族らを傷つけるネット投稿など、裁判官としての威信を著しく失う非行をしたとして訴追された、仙台高裁の岡口基一裁判官(職務停止中)の弾劾裁判の第3回公判が2月8日参議院第二別館内の裁判官弾劾裁判所(裁判長:松山政司議員=参・自民=)であった。

この日は、女子高生殺害事件の遺族側代理人である中澤康介弁護士の証人尋問があり、遺族が何度も抗議しているのに、岡口裁判官が事件や遺族に対する投稿を繰り返したことなどを語った。

また、投稿のうち1つが遺族に対する名誉毀損にあたるとして、岡口裁判官側に賠償を命じた1月27日の東京地裁判決についても説明した。岡口裁判官側はすでに控訴権の放棄を発表している。

次回の公判期日は3月15日で、証人尋問が予定されている。

裁判員が2人欠席 「直前の連絡」で補充せず

なお、弾劾裁判の裁判員は国会議員が務めるが、本日は山本有二氏(自民・衆)、田中和徳氏(自民・衆)の裁判員2人が欠席し、裁判員は12人だった。弾劾裁判では、裁判員が欠席した場合に備えて衆参4人ずつの予備員が選出されているが、この日は補充されなかった。

その理由について、裁判官弾劾裁判所事務局は「通常は予備員を補充するが、今回は公判の直前に欠席連絡があった。衆参の裁判員5人ずつという定足数を超えていたため、予備員には声がけをしなかった」と説明した。

欠席した議員の事務所に確認すると、衆院予算委員会で岸田文雄首相が出席する集中審議が入ったためだという。

岡口裁判官の弾劾裁判、遺族側代理人が抗議の経緯語る