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ネバダ州の砂漠地帯で先月末、子犬の頃に捨てられたと思われるオス犬“ゴースト(Ghost)”がプロのレスキューチームによって捕獲された。ゴーストは約7か月間、過酷な環境下でコヨーテの群れと一緒に暮らしていたという。ラスベガス地域のニュースメディア『Fox 5 Vegas』などが伝えている。

昆虫や果物、ネズミやウサギ、時には大きなシカなども捕食するコヨーテが、犬と7か月間も行動を共にしていたという信じられないようなニュースが飛び込んできた。

白いオス犬“ゴースト”とコヨーテの群れが最初に目撃されたのは昨年7月のことで、ネバダ州ヘンダーソンの都市計画区域「インスピラーダ」の住民グループのSNSでシェアされ関心を集めた。同地区の住民らはその後、ゴーストが目撃されるたびにSNSで情報をシェア、10月になるとほぼ毎晩のように目撃情報が寄せられるようになったという。

「ゴーストは同地区周辺で餌をあさったり、コヨーテとじゃれ合ったり、時にはまるで群れをリードしているかのような行動をとることもあった」と明かす目撃者。ところが最近になり事態が一変した。

住民たちはゴーストが足を引きずりながら歩いていることを確認、動きが鈍り、乾燥した地面で体を休めることが増えていることに気付いたのだ。そして「このままではコヨーテに襲われてしまうのではないか」と不安を募らせ、「サザンネバダ・捕獲チーム(Southern Nevada Trapping Team、以下SNTT)」に捕獲を依頼したのだった。

SNTTのスーザン・マクマレンさん(Susan McMullen)によると、住民たちは自分たちでゴーストの捕獲を試みたものの、いつもあっという間に姿を消していたという。そしてこの行動と白い被毛こそ、この犬が“ゴースト”と呼ばれる所以だそうだ。

こうして始まったゴーストの捕獲作戦は、スーザンさんとパートナーのティミ・ゾンディロスさん(Timi Zondiros)の主導で行われた。2人は住民たちからゴーストの行動範囲を記した地図を手に入れ、インスピラーダ周辺を入念に調査、約2週間をかけてゴーストが姿を現しそうな場所を絞り込んだ。

そして先月28日夜、ゴーストの捕獲に成功。餌が入ったクレートを仕掛けて6時間後のことだった。ゴーストは骨と皮ばかりになっていたものの、クレートに入ると大人しく座り込み、安堵した様子だったという。

スーザンさんはゴーストについて、このように語っている。

「もしかしたらゴーストは、砂漠地帯に7、8か月いたのかもしれませんね。子犬の時に捨てられたゴーストをコヨーテが仲間として受け入れたのではないでしょうか。」

「捕獲後の私たちは、アドレナリンが出て大興奮でした。それにあの場所からゴーストを救い出すことができてホッとしたのを覚えています。」

しかしながらゴーストにとって、砂漠での生活は決して容易いものではなかったようで、顔や体に戦って噛まれたと思われる傷があるほか、耳と目が感染症に罹り、陰嚢の全てを切除する必要があるという。また骨折した足指を切断しなくてはならならず、腹部にはお腹が空いて食べたと思われる複数の石が確認されている。さらに夜に寝ることができず歩き回っているそうで、飼い犬として生きていくには訓練も必要になる。

それでもまだ若く攻撃的な態度も見られないことから、これらの問題が解決すれば新しい家族が見つかる可能性も十分にあるそうで、ティミさんは最後にこのように述べている。

「ゴーストは甘えん坊で愛されるのが大好き。撫でてもらったり、抱っこしてもらいたくてそばに寄ってくるのです。」

「ゴーストにはベッドやソファがあって寄り添ってくれる人がいる温かい家族に引き取ってもらいたいですね。この子は最高の飼い犬になると思いますよ。なぜなら救出された犬というのは、そのことをちゃんと分かっているのです。心から感謝しているのですよ!」

画像は『Fox 5 Vegas 2023年2月3日付「Ghost’s Story: Elusive white dog spotted living with coyote pack in Henderson」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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