カラパイアの元の記事はこちらからご覧ください

 何の先入観も持たずに上の写真を見てほしい。生のサーモン(鮭)の切り身に見えることだろう。だが実は植物からできている。

 この「植物由来のサーモン代替食材」を開発したのは、カナダトロントに拠点を置く「ニュー・スクール・フーズ(New School Foods)社」だ。

 見た目だけではない。味も質感も食感もそっくりで、その調理法も魚のサーモンと同様だ。生でも食べられるし、焼いてフレーク状にすることもできるという。

【画像】 本物そっくりの植物由来のサーモン

 培養肉や植物由来の人工肉(ベジミート)はすでに浸透しているが、実は水面下で従来の魚や甲殻類に変わる代替シーフードの開発も進んでいる。

 ニュー・スクール・フーズ社が開発した植物由来のサーモンは、生のままでも、調理しても驚くほど本物に似ているという。しかもタンパク質やオメガ3脂肪酸といった栄養価まで本物に近いのだ。

1

image credit: New School Foods

3年の歳月を費やし独自の技術を開発

 植物由来のサーモンの作り方については公表されていない。だがニュー・スクール・フーズ社は、色・風味・脂肪・食感・口当たりをサーモンそっくりにするため、独自の筋繊維(きんせんい)と足場プラットフォームを3年かけて開発したそうだ。

 またこれまでの植物由来肉と違い、全工程が非加熱であるとのこと。そのおかげで仕上がりは生のサーモンそのものだし、調理したらしたでやはり本物そっくりになる。

3

image credit: New School Foods

 非加熱製造法のもう1つのメリットは、ほかの産業で使われている機械をそのまま使えることだ。植物由来肉の多くはそれ専用の機械が必要となる。そのせいで大量生産が難しく、値段も高くつく。

 だが植物由来サーモンは従来の機械を使えるので、生産を拡大しやすいのだという。なおニュー・スクール・フーズ社は現在、試験用の工場建設を検討しているところだ。

2

[もっと知りたい!→]代替食品ラッシュ。魚から採取した細胞を培養した代替シーフードが誕生(アメリカ)

image credit: New School Foods

環境にやさしい代替サーモン

 ニュー・スクール・フーズ社の狙いは、本物に匹敵する美味しさのサーモンを提供することで、鮭の生態系を守ること、飼育の餌による環境汚染を防ぐことだ。

 だから植物由来サーモンは、本物以上のヘルシーさを狙った製品ではない。それでも、最近に気になるマイクロプラスチックに汚染されたサーモンを避けることはできるだろう。

References:It Looks, Flakes, And Tastes Like Salmon… But It’s Not From The Sea - DesignTAXI.com / written by hiroching / edited by / parumo

 
画像・動画、SNSが見られない場合はこちら

見た目も味も食感もサーモンそっくりの植物由来のサーモンが完成