左耳がない状態で動物保護施設にやって来たオスのピットブルがある日、大好きな犬のぬいぐるみの左耳を噛みちぎってしまった。驚いたスタッフがその後、Facebookに犬とぬいぐるみの写真を投稿、ピットブルの悲しい過去を綴ったところ大きな反響があった。米ネットメディア『LiveNOW from FOX』などが伝えている。

米ノースカロライナ州の非営利団体「ウェイク郡動物虐待防止協会(SPCA of Wake County、以下SPCA)」のFacebookに今月4日、保護犬“ブルーノBruno、1)”の写真3枚が投稿された。

そのうちの1枚はブルーノの横顔を捉えたもので、左耳がないのがはっきり見て取れる。そして他の2枚は、ブルーノと左耳がない犬のぬいぐるみが一緒に写ったもので、次のような説明があった。

「みなさん! ブルーノは大好きなぬいぐるみの耳を引きちぎってしまったの。自分と同じ(左)耳をね。」

「このぬいぐるみを発見したスタッフは『信じられない』という気持ちでいっぱいで、SPCAのメンバーに見せようと写真を撮ったの。」

ブルーノは以前、鎖につながれたまま外で暮らしていてね。他の犬に襲われ、左耳を噛みちぎられたの。逃げることができずにね。」

SPCAによると、鎖で自由を奪われたブルーノは逃げることもできず、ノースカロライナ州の凍えるように寒い冬、そして太陽が照り付ける暑い夏もひたすら耐えるしかなかったという。そして“非常に困難な状態”でいたところを保護されたというのだ。

それでもスタッフは「ブルーノは優しくて甘えん坊、その上、行儀が良くて、愛くるしくて、頭がいいの!」と語り、こう明かしている。

ブルーノはウルっとした目をしているけれど、とてもハッピーで愛されキャラ。それにいつも尻尾を振っていて、つらい目に遭ってきたことを全く感じさせないの。」

トラウマを抱えているはずなのに他の犬を恐がることもなく、なにより人間が大好き! 愛情深く、寛大な心を持っているのよ!」

そしてブルーノがぬいぐるみの耳をちぎり取ってしまった理由について、このように述べた。

ブルーノは『自分に悪いところなんてない』ということをちゃんと分かっているの。だから『耳がなくても完璧だよ』ということを証明したかったのよ!」

ちなみにこの投稿は大きな反響を呼び、「ブルーノはなんて悲しそうな目をしているの! 本当につらい経験をしてきたんだね」「ブルーノに温かい家族が見つかるといいね」「私の飼い犬も片耳がなくて、同じようにぬいぐるみの片耳をちぎってしまったわ。ブルーノソウルメイトね!」「少なくとも今は安全を確保したから安心。幸せになって!」といったコメントが寄せられた。

すると最初の投稿から3日後、SPCAはFacebookを更新し、“ありのままのブルーノ”を愛してくれる新しい飼い主の男性が見つかったことを報告した。今後数か月は、外での生活で感染したフィラリア症(犬糸状虫症)の治療が必要というが、男性は“無償の愛”を約束、フォロワーからは喜びの声があがった。

なおSPCAは、ブルーノがベストフレンドの犬のぬいぐるみを背負い、施設を去る動画を投稿、最後にこんな言葉を残している。

ブルーノの瞳は悲しそうに見えるかもしれないけど、そんなことはないのよ。私たちは施設を去るブルーノがあまりにも激しく尻尾を振るのを見て、体から落ちてしまうのではないかと心配したほどなの!」

画像は『SPCA of Wake County 2023年2月4日付Facebook「Y’all」、2023年2月7日付Facebook「And just like that, Bruno has a new dad!!!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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