ポール・ラッド扮するアベンジャーズで最も普通の男であり、身長わずか1.5cmの最小ヒーローの活躍を描く「アントマン」シリーズの3作目『アントマン&ワスプ:クアントマニア』が2月17日(金)に公開される。

【写真を見る】時空を超えて征服を続ける宇宙の支配者“征服者カーン”は、多数存在する!?

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)では実に31番目の作品となる本作の敵が、「アベンジャーズ」シリーズの5作目として2025年5月に全米公開を予定している『アベンジャーズ:ザ・カーン・ダイナスティ』の原題にも名前が登場し、次なるボスヴィランとして話題の”征服者カーン”だ。いったいどんなキャラクターなのか、チェックしていきたい。

■コミックスではファンタスティック・フォーとも関わりが…!

スタン・リージャックカービーによる1964年刊行の「Avengers #8」に初登場し、マーベル・コミックスの代表的なヴィランとなったカーン。本名をナサニエル・リチャーズという彼は30世紀の未来人で、タイムマシンを使って20世紀に現れると、未来人ならではの革新的な技術を駆使してアベンジャーズと戦いを繰り広げた。

ナサニエル・リチャーズという名前を聞いて思い浮かべるのが、ミスターファンタスティックことリード・リチャーズの父、ナサニエル。優秀な科学者だったナサニエルは、30世紀にタイムトラベルをして荒廃した未来の世界に平和をもたらしており、その英雄の姿を見たまったくの別人がその名を借りたのが、カーンとされている(しかし、父ナサニエル自身やドクタードゥームの子孫説も囁かれている)。

カーンの最大の特徴が、タイムトラベルによって歴史改変を繰り返したことで枝分かれした歴史の各所に、カーンの変異体が存在すること。例えば、その一人であるアイアンラッドは、子どものカーンが虐められているところを未来から来た自分に助けられるも、将来の自分に恐怖を感じ、ヴィランとなることを拒みヒーローとなったキャラクターだ。

MCUドラマ「ロキ」にもカーンの変異体が登場済み!

ある時は無慈悲な征服者に、ある時は勇敢なヒーローになったりと、様々な特徴を持つカーンとその変異体。MCUドラマ「ロキ」のシーズン1のラスボスとして登場した“在り続ける者”もそのうちの一人だ。

アントマン&ワスプ:クアントマニア』でカーンを演じているジョナサンメジャース扮する在り続ける者は、かつて起きた多元宇宙間での戦争を鎮めるために確立した神聖時間軸の分岐を取り締まる組織、TVAを裏から支配していたキャラクター。

シタデルという砦にこもり時間軸を見守ることに疲れた在り続ける者は、その役をロキとシルヴィにオファーするも殺されてしまい、「近いうちにまた会おう」という言葉と共に息を引き取ると無数の時間軸が解き放たれるという衝撃的な展開となった。

■最新作ではアントマンを誘惑するも…

そんな在り続ける者とは別のキャラクターであるカーンだが、『アントマン&ワスプ:クアントマニア』でも、予告映像で「彼は存在を書き換え、時間軸ごと破壊する」と語られているように、時間を操るヴィランとして登場を果たす。

量子世界に導く装置を発明した娘のキャシーたちと共に、ミクロより小さな世界へ引きずり込まれてしまったアントマンワスプたち。その先で待ち受けていたのは過去、現在、未来すべての時を操る能力を持つ史上最凶の敵、征服者カーンで…という物語が繰り広げられていく。

予告では、サノスの“指パッチン”によって、娘の成長を見守るはずの5年という大切な時間を失ったアントマンを、カーンが”時間”をエサに誘惑するような素振りを見せたかと思えば、その一方で、アントマン自らが犠牲になってでもカーンを抹殺しようとする一幕も見られ、最強の敵に普通の男がどのように立ち向かうのか、楽しみなところだ。

とはいえ、『アベンジャーズ:ザ・カーン・ダイナスティ』では、”カーン王朝”という壮大な副題が付けられていることからもわかる通り、今作で倒されるとは到底思えない。今後のMCUの重大な鍵を握る人物であることは間違いないだろう。

文/サンクレイオ翼

サノスの次なるMCUメインヴィラン!カーンとはどんなキャラクター?(『アントマン&ワスプ:クアントマニア』)/[C]Marvel Studios 2023