2023.02.04(Sat)『BanG Dream! 11th☆LIVE』 DAY1「GALAXY to GALAXY」@有明アリーナ

※本ライブレポートは後日ライブフォトが更新されます。こちらもお楽しみに。

バンドリ!の声出しライブが3年ぶりに帰ってきた。2023年1月27日に政府より発表されたイベント収容人数の上限規制の撤廃に伴い、不織布マスクの着用は必須だが、室内ライブ会場での収容人数・声量・声出し時間などの制限が撤廃となったのだ。

しかもその記念すべきライブが、2023年2月4日(土)に有明アリーナにて開催された『BanG Dream! 11th☆LIVE』の『DAY1 : Poppin'Party×RAISE A SUILENGALAXY to GALAXY」』の舞台となったのには、何か運命的なものを感じざるを得ない。各バンドの名曲が披露されるのはもちろん、互いのバンドメンバーが相手のバンドとコラボし、曲を披露するという試みも行われた今回のライブ。その度に会場は大歓声で沸き、タイトルである『GALAXY to GALAXY』にかけて表現するなら、まさにビッグバンを巻き起こすような凄まじいステージとなっていた。


その前に、ライブ前のオープニングアクトには、2022年に結成されたばかりのMyGO!!!!!が登場したことも忘れてはならない。ボーカル・燈(Tomori)、サイドギター・愛音(Anon)、リードギター・楽奈(Rāna)、ベース・そよ(Soyo)、ドラム・立希(Taki)の5人からなるバンドである。披露したのは「迷星叫」、「名無声」、「影色舞」の3曲だ。ステージは暗く、表情は見えない演出ながらも、軽やかにステップを踏みながら演奏するメンバーたちを見ていれば、心から音楽を楽しんでいる様子が伝わってくる。あっと言う間ながらも、会場の熱気を上げるには十分すぎるほどのパフォーマンスを披露して、ステージを去っていった。

(C)BanG Dream! Project (C)Craft Egg Inc. (C)bushiroad All Rights Reserved.

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さて、いよいよ開演の時。先にステージに登場したのは、ベース&ボーカル・レイヤ(Raychell)、ギター・ロック(小原莉子)、ドラム・マスキング(夏芽)、キーボードパレオ倉知玲鳳)、DJ・チュチュ紡木吏佐)の5人からなるRAISE A SUILEN(以降、RAS)だった。

「さぁ、有明アリーナ。全力で声出して行こうな」と煽るレイヤ。1曲目に「DEAD HEAT BEAT」、2曲目には「HELL! or HELL?」と、いきなりブチ上がる楽曲を続けて披露。観客も声を出すだけでなく、激しく頭を振るなど最初からクライマックスのような様相である。

DEAD HEAT BEAT

HELL! or HELL?

A DECLARATION OF ×××(with 牛込りみ)

Dr. Solo セッション~(山吹沙綾&マスキング)

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さらには3曲目の「A DECLARATION OF ×××」で、スペシャルセッションとしてPoppin'Party(以降、ポピパ)からベース・牛込りみ(西本りみ)を呼び込む。歌詞の「RAISE YOUR HANDS, NOW!」で高く拳を振り上げるメンバーたち。さらにはサビの「3, 2, 1, JUMP!」で観客一同も大ジャンプをキメた。

一度、ステージは暗転。スクリーンにアニメの名シーンが流れた後で、ステージにはRASのマスキング(夏芽)とポピパ山吹沙綾大橋彩香)というダブルドラマーがピットイン。交互にドラムソロを行うという貴重なパフォーマンスに、観客席からも「ウォー!」と歓声が沸く。

Moonlight Walk

イニシャル

Time Lapse

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やがてマスキングが去り、山吹沙綾ドラムソロに合せて、キーボード市ヶ谷有咲伊藤彩沙)、ベース・牛込りみ(西本りみ)、ギター・花園たえ(大塚紗英)、ギター&ボーカル・戸山香澄(愛美)というポピパの面々が舞台に登場した。

最初に披露したのは「Moonlight Walk」、「イニシャル」、「Time Lapse」と、序盤に相応しい激しめのロックナンバーの3曲。「もっともっと、声出せるでしょー!」と戸山香澄も、RASのレイヤにも負けない煽りで会場を盛り上げていく。

MCにて、「声出し解禁になって見える景色が違う」と語る戸山香澄市ヶ谷有咲の提案で客席とのコール&レスポンスも起こり、最後には観客と合せた「ぽぴぱ!ぴぽぱ!ぽぴぱぱぴぽぱー!!」の掛け声も、3年ぶりの披露となった。

ぽっぴん'しゃっふる

What's the POPIPA!?

ぽっぴん’どりーむ!(with パレオチュチュ

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MCの後にはリズミカルなダンスナンバー「ぽっぴん'しゃっふる」と、続けて情熱たっぷりの自己紹介ナンバー「What's the POPIPA!?」を披露。やがて舞台は暗転し、ステージ前のお立ち台に座って花園たえがギターソロを響かせると、再び客席は大きな歓声で沸いた。

次は、ゲストとしてRASからDJ・チュチュキーボードパレオを呼び込み、「ぽっぴん’どりーむ!」を披露する。冒頭でジャンプをした後、テンションが上がり過ぎた戸山香澄が歌いだしを忘れてしまって笑い出すという微笑ましいトラブル(?)に見舞われるも、演奏は止まることなく続行。パレオもショルダーキーボードを奏でながら体を揺らし、間奏ではチュチュもDJソロを披露して、一夜限りの特別な音楽を会場に響かせていった。

!NVADE SHOW!

THE WAY OF LIFE

灼熱Bonfire!(with 戸山香澄市ヶ谷有咲

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ステージは暗転し、スクリーンに流れる映像をはさんで、再びRASが登場。「!NVADE SHOW!」と「THE WAY OF LIFE」と、アップテンポな2曲を披露した。さらにはポピパから戸山香澄市ヶ谷有咲の2人をゲストに呼び込み、「灼熱Bonfire!」を披露。ゲスト2人はノリノリのダンスと歌声で場を盛り上げていく。

続くMCでは、レイヤから観客席へのコール&レスポンスの後で、少しだけユルいトークも展開された。今回の『GALAXY to GALAXY』というタイトルについて意味をレイヤから問われ、ロックが「銀河と銀河?……えっ、違うか。“to”って何?」と言えば、チュチュが「銀河が銀河に、銀河ですわ。ここは銀河です。おめでとう」と怪しげな回答を述べ、また会場を沸かせる。そしてマスキングの提案で、ポピパに倣って皆で肩を組んだ後は、「私達らしくいくよー!We are RAISE A SUILEN!フー!」の掛け声で、また会場を一つにしていく。

Beautiful Birthday

Light a Fire

DRIVE US CRAZY

R・I・O・T(with 花園たえ)

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このあとは、RASの締めくくりとして4曲続けて披露。最初は愛と感謝のこもった「Beautiful Birthday」、続けて渾身のバラード「Light a fire」、そしてパワフルな爆上げ曲「DRIVE US CRAZY」と、勝負曲をたたみかける。最後の「R・I・O・T」では、ゲストにポピパからギターの花園たえを呼び、熱いコラボを披露。演奏の合間には、ステージ上を自由に駆け回る花園たえ。メンバー一人ひとりと背中合わせになったり、向かい合ったり、様々な掛け合いを見せていく。最後は「幼馴染」であるボーカル・レイヤと拳を突き合わせ、エモーショナルな舞台をしめくくった。

Returns(with レイヤ)

Step×Step!(with ロック)

ミライトレイン

ティアドロップ

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再び舞台は暗転し、スクリーンにアニメーションが流れる。いよいよ最後のポピパステージ、と思いきや、舞台にいるのは、先ほどの花園たえとレイヤの2人。「Returns」を披露すれば、またも客席からも大きな歓声が沸き起こった。2人だけで1コーラス歌ったところで、他のポピパメンバーにスポットが当たる。ポピパ with レイヤという編成で歌い終わったときには、花園たえは手の甲を目に当て、涙を隠すような姿も見せていた。

再び歓声に沸く会場。レイヤが「ありがとう、Poppin'Party。じゃあ最後にもう一人、うちのメンバーを呼んでもいいかな。花ちゃん、泣かないで」と言い、次のゲストであるギター・ロックにバトンタッチする。「ずっと憧れてた、ポピパさんとステージに立てるなんて。ポピパさんが背中を押してくれた大切な曲を、精一杯演奏します」とロックが言い、披露されたのは「Step×Step!」だった。

「対バン」ではなく、「合同ライブ」「初のショーケースライブ」と呼ばれていた今回のライブ。ポピパと作品の中でもつながりの深いRASだからこそのコラボがさまざま見られ、終始感情を揺さぶられっぱなしである。そんなライブもいよいよクライマックス。「ミライトレイン」のコーラス「Wo...」を観客全員で大合唱した後は、「ティアドロップス」で、ペンライトの色を「赤から青」、「青から赤」と、歌詞に合わせてカッと切り替える観客。最後までファンの心は一つだった。

ときめきエクスペリエンス!(Poppin'Party×RAISE A SUILEN

EXPOSE 'Burn out!!!'(RAISE A SUILEN×Poppin'Party

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誰もいなくなったステージに向かって、「アンコールアンコール」の声が響く。拍手だけでなく声を響かすことができるのも、実に3年ぶりだ。やがてステージに舞い戻ってきたのは、ポピパ、そしてRASのオールメンバーである。

そこでポピパ、RASから2023年のリリース情報やライブ情報などお知らせを挟んだあとは、各バンドを代表して、戸山香澄(愛美)とレイヤ(Raychell)から、それぞれ挨拶が述べられる。

まずは「声出し開催となって、改めて、みんなに生かされていたんだなというのを感じました」と愛美。「この未来になるまで信じて応援し続けてくれた、一緒にがんばり続けてくれた皆さん、配信を見ている皆さんも、本当に感謝を伝えたいなと思います。今日は本当に、ありがとうございました」とお辞儀をした。

続いてRaychellは、スタッフ、観客、配信視聴者、そしてこの日同じ舞台に立ったポピパへの感謝を述べた後で、これからのガルパについて語っていく。「ガルパも6周年を迎えます。バンドリ!、これからもっともっと進化して、どんどんどんどんパワーアップしていきます。バンドリーマーの皆さん、私達のこの姿、今は今しかないです。ぜひとも私達の進む道、皆さんも一緒に進み続けていただけたら嬉しいなって思います」。

そしてアンコール曲では、恒例のコラボとして、1曲目にポピパの「ときめきエクスペリエンス!」、そして2曲目にRASの「EXPOSE 'Burn out!!!'」がどちらもオールメンバーで披露され、感動に包まれたステージを締めくくった。

(C)BanG Dream! Project (C)Craft Egg Inc. (C)bushiroad All Rights Reserved.

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ただ声出し解禁というだけでも熱狂的だった今回のライブ。ようやくコロナ禍以前の当たり前に戻り始めたということにも、改めて感謝を述べたくなる。バンドリ!アーティストに、バンドリーマーに、スタッフに。そして、音楽に携わるすべての人に。

いよいよ日常を取り戻しつつある、この2023年。再び「青春と音楽」の世界へ舞い戻ろう。ノンビリなんてしていられない。レイヤ役のRaychellの言った通り、「今は今しかない」のだから。

今回のライブにおいて、一つ不可思議なことがあった。それは会場にて配布されていたチラシだ。そこにはQRコードが記載されており、アクセスすると【Ave Mujica】書かれたサイトにアクセスする。そしてそこには2023/6/4までのカウントダウンされていたのだ。新たなるライブの情報なのだろうか? さらなる情報を待ちたい。

取材・文:平原 学 Photo ハタサトシ、福岡諒祠(GEKKO)、池上夢貢(GEKKO)