足立佳奈

デビュー5周年を迎え、今新たなフェーズへと突入しようとしているアーティスト・足立佳奈。彼女が2月15日に4thアルバム『Seeker』をリリースする。彼女の“今”を詰め込んだメモリアルな作品とのことで、本人に同作の魅力を聞いてきた。


画像をもっと見る

■5年目で「ここからがスタート」

───デビュー5周年おめでとうございます! 様々な活動を経て今に至りますが、改めて振り返ってみていかがでしょうか。

足立:ありがとうございます! デビューしてから今までの活動を振り返るとあっという間だったな…と思うのですが、その中でもいろんな方との出会いがあって、様々なステージを経験させていただきました


作品をリリースすることもできましたし、それらを経て“今の自分”があるなと感じています。ただ、5年目ですが「ここからがスタート」という感覚です。


───なるほど。今までの経験を踏まえた上でさらなる成長の兆しを感じたわけですね。

足立:そうですね。デビュー当時は曲の作り方やリリースの仕方など、わからないことがたくさんあったんです。ただ、活動していくうちにそういったポイントを一つひとつ学んで、今やりたいことが明確になってきました。


アーティストとして成長すると同時に、メディアへの露出も増え始めている足立。最近では歌ネットにてコラムを連載したり、『名曲!ジェネチェンFES』(フジテレビ系)へ出演したりしていた。

足立:歌ネットでは自身の楽曲に関するコラムを書かせて頂いていました。今まで、音楽で言葉を発信することはあったのですが、文章だけで言葉を伝えるということはあまりできていなかったので、新しい挑戦だったと思います。


『名曲!ジェネチェンFES』ではカバー曲を披露したのですが、他人の曲を歌わせて頂くというのは過去のライブでも経験がなくて…その方の背景を調べたり、楽曲をしっかりと解釈したりと今までにないことづくしでとてもいい経験になりましたね。


関連記事:マハラージャン、遊び心あふれる『くらえ!テレパシー』で切り開いた新境地

■最近のプライベートは…

アーティストとして転機を迎えている中、プライベートでは変化はあったりするのだろうか。

足立:最近は特にお家にいることが増えたと思います。コロナが日常的になってきて、外でご飯を食べたりする方も増えたと思うのですが、私は逆にお家にいる時の楽しさみたいなものを意識するようになりました。上手くはないけど料理をしてみたり、自分が“無”になれる時間を作ったりしてましたね。


───そういったいわゆる“なんてことのない日常”が楽曲制作に繋がったりするのでしょうか。

足立:そうなんです。以前ちょっとだけお酒が入ったときの帰り道で口ずさんだ歌が意外と良かったことがあって、帰ってすぐにデモを作ったんです。じつは、その楽曲が今回のアルバムにも入ってたりして…そういった仕事モードじゃないプライベートなときに楽曲ができてたりもするので、じつは活きてるのかもしれませんね。


■「自分とリンクしている」

足立佳奈

───アルバムの情報解禁に伴い、ジャケット写真とアーティスト写真が公開されましたね。今までは黄色やオレンジ、ワインレッド、ブルーなどがテーマカラーでしたが、今回は「緑」。なにか意図があったのでしょうか。

足立:まず、元々私がパキッとした色が好きで、毎回これだ! と思う色を選んでいました。なぜ今回「緑」なのかというと、中でも緑がすごく好きなんですよね…例えばコンビニに行ってお茶を買うときも緑のパッケージのものを選んでしまうくらいで(笑)


今回リリースする『Seeker』には“探求者”という意味があって、日々いろんなものを探し求めて生活している自分とリンクしていると感じたんです。なので、緑一色で攻めてみました。


そして、この度リリースする『Seeker』は昨年の4月から実施した毎月連続リリースの際の楽曲が詰まっている。かなりハードな挑戦かと思いきや、意外にもそうではなかったのだとか。

足立:私自身はすごく楽しかったな…という印象でした。その時その時の気持ちを曲として残すことができるというのは中々ないことだなって。もちろん、1ヶ月といっても気持ちは移り変わっていくのですが、その1ヶ月の中でどんな気持ちが自分の心を占めていたかを考え、素直に楽曲に落とし込むのを意識しました。


───同時にMVも連続で配信されていたのにはとても驚きました(笑)

足立:ガッツリ撮らせていただいたMVもあれば、リリックビデオもあるんですけど、いずれも「言葉や想いを皆さんにしっかりと伝えたい」と考えて制作に臨みました。


『Me』のMVは「止まらない自分を探し求めて歩き続ける」というテーマなので、1日で7、8箇所くらいロケ地を回ったんですが、ワンシーンのためにわざわざ遠くに行くこともあって…1日で1週間分の旅行へ行ったような感覚でしたね(笑)

■新曲『Seeker』に込めた思いは…

───今作、様々なタイプの楽曲が収録されバリエーションに富んでいると感じましたが、中でも印象深い楽曲はありますでしょうか。

足立:『カンパイ』は10月15日に始めて岐阜県で凱旋ライブをしたのですが、ライブ後に友達と過ごした時間を曲にしてみました。編曲をしてくれたのが凱旋ライブのバンドメンバーでレコーディングもそのメンバーに演奏してもらって、自分としては納得の歌詞やメロディに仕上がりました。制作過程もかなり思い出深いものになったなと思います。


一方で『今が一番ここちいい』は、作詞・作曲・編曲を自分でやりました。とても心がポカポカ温まって優しい気持ちになるような楽曲ですので、ぜひ皆さんにたくさん聴いてもらいたいなと。一対一であなたに向けて歌っていると思って、イヤホンで聴いていただけると嬉しいです!


───そして、今回のアルバムのリード曲『Seeker』。どのような楽曲に仕上がっていますか

足立:自分が憧れている友人がいて、その人を曲の中でSeekerと呼んでいるんです。友人なのですごく身近な存在なんですけど、近い存在と思えないくらい憧れる人。


彼女は「楽しむ」ということを大切にしていて、どんなときも誰といてもその場を、人生を楽しんでいる…そんな姿がかっこいいなと思っているんです。同級生のはずなのに100年くらい前から生きてて年を偽ってるんじゃないか? と思うくらい寛大なんですよね。


側にいるだけで必然的に彼女の色に染まる感じがして、そういう“自分の軸”を持っている女性になりたいと思い今回『Seeker』という曲を書きました。


■おすすめの聴き方とは?

足立佳奈

同作の「完全生産限定盤」には、過去にリリースした楽曲を厳選したDISC2が付いてくる。どういった基準で選曲を行ったのか。

足立:今までの私の楽曲の中から多く聴いてくださったものを選んで、そして私自身がこれからも皆さんに聴いてもらいたい楽曲を追加して12曲にしました。


───メジャーデビュー曲『笑顔の作り方~キムチ~』も入っていて、足立さんの軌跡を辿れますね。DISC2→DISC1の順で聴くと成長や進化が感じられそうな印象を受けました。

足立:そうなんです! もちろんDISC2の中でも1から12まで聴くとガラリと印象が変わるような聴き心地なっていると思うんですけど、DISC2、DISC1の順に聴いていただくと、足立佳奈の進化が感じられると思います。当時、私が大切にしていた想いとか、声の変化とかも楽しんでいただけたら嬉しいなと思います!


■今後の目標は…

デビュー5周年を迎え4thアルバムも完成した現在、抱いている目標を尋ねてみた。

足立:直近の目標でいうと、このアルバムを引っ提げての全国ツアー『ADACHI KANA LIVE TOUR 2023 -Seeker-』で、新しい足立佳奈を見せていきたいなと思っていきます。


新しいというのは、歌唱のレベルアップだったり空間の作り方だったり…皆さんに最後に「なんかこのライブ良かったな」と思ってもらえるよう、進化してツアーに臨みたいと考えています。


あと、以前から合唱曲を作りたいとも思っていたのですが、5周年記念ライブでアンジェラ・アキさんの『手紙~拝啓 十五の君へ~』という曲を歌わせて頂いて更にその思いが強まりましたね。しっかりと段階を踏んで技術を磨いたうえで制作していければなと。


───最後にファンの方へ向けたコメントを頂けますでしょうか。

足立:デビュー5周年を迎えた節目に『Seeker』というアルバムをリリースできたことを嬉しく思います。作れたことも嬉しいですが、受け取ってくださる人がいることが何より嬉しいし感謝をしています。ありがとうございます。これからも、足立佳奈の変化を楽しんでいただけるように活動していきますので、応援のほどよろしくお願いいたします!

・合わせて読みたい→ひろゆき氏、差別的な発言に指摘するも… 足立区民がまさかのとばっちり

(取材・文/Sirabee 編集部・木根 大心

「いろんなものを探し求めてる」 足立佳奈が最新作『Seeker』で表現した今の自分