自分の職場が「もしかしてブラックかも…」と感じたとき、あなたならどうしますか。退職を選んだ人、退職を選ばなかった人、それぞれの選択にはどのような理由や背景があったのでしょうか。AlbaLink(東京都江東区)が運営する“訳あり不動産”情報メディア「訳あり物件買取プロ」が、「ブラック企業だと感じたときの対応」に関する調査を実施。その結果を発表しました。

ブラックでも「仕事内容は好き」

 調査は2022年12月から2023年1月にかけて、現在仕事をしている人を対象に、インターネットリサーチで実施。計500人(男性203人、女性297人)から有効回答を得たものです。なお、回答者の年代は、10代0.2%、20代20.8%、30代37.2%、40代27.2%、50代11.6%、60代以上3.0%となっています。

 まず、「ブラック企業だと感じる職場で働いた経験があるか」を聞いたところ、「ある」と答えた人が71.0%で、全体の7割を超える結果となりました。ブラック企業は少数派ではなく、身近にあることがうかがえます。

 では、職場に対して「ブラックだ」と感じたとき、どのような行動を取ったのでしょうか。

 ブラックと感じる企業での勤務経験が「ある」と答えた355人に、「職場がブラックだと感じたらどうするか(どうしたか)」を聞くと、「退職した」と答えた人が77.5%で、8割近くを占める結果に。「退職を検討した(検討中)」人も15.5%いました。

「退職した」人に理由を聞いてみると、「環境を変えないと体を壊すため(28歳男性)」「給料が少なく『副業なしで生活できない状態はおかしい』と感じて退職しました(35歳女性)」「自分にとってメリットがなく、他にいい企業はいくらでもあるから(41歳男性)」など、身体的・精神的なつらさ、生活の苦しさといった理由が多く挙がりました。また、「大切な時間をブラック企業に捧げたくない」など、会社を好きになれないため退職を選んだ人もいるようです。

「退職を検討した」人からは、「新卒で入ったので『今の環境が当たり前』だと思っていた。しかし他企業で働く友人と話して当たり前ではないことを知り、よりよい環境で仕事をしたいと考え、退職を検討している(27歳女性)」「退職を検討したものの、労働基準監督署に連絡して改善したので、ひとまず様子を見ている状態(39歳男性)」「退職を検討しているものの、『すぐに次の仕事が見つかるのか』『見つかってもまたブラック企業だったら』と考えると、なかなか実行には移せない(42歳男性)」といった声が。働き続けるつらさや、もっといい環境を求める気持ちは「退職した」人と共通しますが、検討するにとどまっている理由にもさまざまあることがうかがえます。

 一方で、低い割合ではあるものの、「退職しない(しなかった)」人が7.0%と一定数いることが分かりました。その理由を聞いてみると、「仕事内容にやりがいを感じているため(29歳男性)」「初めて正社員として働けた職場だから。役職もついているので簡単には辞められない(34歳男性)」「自分の地位が上がり、権限も増えたので、少しずつですがブラックな要素を排除し、働きやすい職場になるよう改善しています(44歳女性)」といったコメントが。

「退職すると退職金が減るから」「他の仕事を見つけるのが難しいと思うから」など、ネガティブな理由で現状維持を選んだ人もいる一方で、「仕事内容は好き」「少しずつ改善を図っている」など、ポジティブな理由で退職を選ばなかった人もいることが分かる結果となりました。

オトナンサー編集部

「ブラック企業だ」と感じたら…どう対応?