元フランス代表MFジネディーヌ・ジダン氏が、アルピーヌF1のアンバサダーに就任した。16日、イギリスメディア『スカイスポーツ』などが報じた。

 現在50歳のジダン氏は、現役時代にユヴェントスレアル・マドリードなどで活躍し、FIFAワールドカップを制した1998年にはバロンドールを受賞した。2006年夏の引退後に指導者へ転身し、レアル・マドリードチャンピオンズリーグ3連覇などの偉業を達成。2021年夏に同クラブを去って以降はフリーの状況が続いている。

 カタールW杯終了後はフランス代表監督の就任も噂されていたが、ディディエ・デシャン監督の続投により実現せず。様々なクラブ・代表チームが招へいを目指すなか、ひとまずはモータースポーツの世界に活躍の場を移すことになった。

 16日にロンドンでF1公式イベントが開催され、アルピーヌは新たなF1マシンを発表。また機会均等プログラム『Rac(H)er』のアンバサダーにジダン氏が就任するサプライズも用意されていた。

 アルピーヌは「ジネディーヌ・ジダンの名声と共通の経験により、性別、出身、経歴に関係なく、誰もがプロとして成功し、チャンピオンになる手段を持っているというメッセージを伝え、若い世代の才能を刺激していきたいと考えています」と今回の狙いを説明している。また、ジダン氏はアンバサダー就任に際し、次のようにコメントしている。

「いつものように出会いの物語です。私は、アルピーヌ・チームのビジョンと具体的なアプローチ、特に機会均等プログラムの実施に好感を持ちました。F1ファンとしてアルピーヌには特別な思い入れがあるので、なおさらです」

「子供たちには、出身地がどこであろうと、いつかそのスポーツや分野でチャンピオンになれるということ、常に自分の夢を信じることが大切だと伝えたいです。このアルピーヌ・プロジェクトは、それを可能にするためのものです。変革には時間がかかりますが、そのスピードアップに貢献できれば、こんなに嬉しいことはありません」

【動画】アルピーヌのアンバサダーに就任したジダン

22年5月のモナコGPでアルピーヌの関係者とともにいたジダン氏 [写真]=FilmMagic via Getty Images